28 叶わない恋 ページ30
『それを最後に、彼とはもう会ってないんです。きっと今頃、立派なT細胞になってるんだろうな』
赤「…………そう、なんですか………」
赤血球は困り果てた。
どうやら、彼女は未だに初恋を諦めてないらしく、しかも、その相手は骨髄球では無かったと明確に判明してしまったからだ。
この間の調子を見る限り、4989は、必ず彼女に告白することだろう。しかし、彼女には既に好きな人がいて、しかもその相手は好中球ではなく、リンパ球である可能性が高い。
赤(どうしよう……)
彼女の切り出し方があまりにも気になるものだったから、つい最後まで聞き入ってしまったが、これなら聞かなければよかったと後悔した。
最近の4989さんは、時折私に対して、『Aちゃん最近どう？』とか、『Aちゃんの好きな物教えて』だとか、Aさん関連のことをよく聞きたがるようになっていた。
その分、私は4989さんと必然的だが確実に仲良くなっていったし、彼の恋を全力で応援することも誓っていた。
だがこれはまずい。
恥ずかしいなぁと頬を掻いたAさんはめちゃくちゃ可愛いが、昔話から導き出された結論は全く可愛げがなかった。
ええい、ままよ！
ほとんどやけくその域に達していた思考を放りなげて、理性的な生き物らしからぬ、本能的な欲求に従うように口を開く。
赤「え、っと、Aさん、って、ぶっちゃけ、4989番さんのこと、ど、どう思ってます！？」
あぁ、ごめんなさい4989番さん。
後で私のことをいくらでもぶっていいですから。
ここにはいないその人の顔を思い浮かべて、心の中で謝罪を繰り返しながら、赤血球はAの答えを待った。
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まみむのめ(プロフ) - 結(むすび)さん» はじめまして！コメントありがとうございます！結構時間をかけて作ったものなので、そう言って頂けてありがたいです！ (2021年6月5日 1時) (
レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
結(むすび)(プロフ) - コメント失礼します、、！最後まで読ませていただきました。作者さんの文章の書き方も設定を細かく考えている所も、キャラとの関係性も、主人公ちゃんのイラスト等も、何もかも素晴らしかったです！素敵な作品をありがとうございます、、 (2021年5月18日 18時) (レス) id: 0ce8940541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみむのめ | 作成日時：2021年3月5日 16時
