23 好きな人 ページ25
赤「あっAさん！また4989さんとのデートの帰りですか？」
『あはは、いや、今日は仕事です』
いつものように、ボンベの入ったダンボールを抱えた38にそう声をかけられて、軽く苦笑する。
彼女の中では、それが普通になってきてしまっているのだろう。本来の私は、仕事の一環としてパトロールのようなこともやっているんだけどな、と思って、彼女の積荷を見た。
『あれ、少ないね、今日はもう仕事終わりそう？』
赤「あっ、はい！あとひとつだけで！」
そっか。偉いね。そう言って38の頭を撫でると、彼女は照れくさそうに、しかし嬉しそうに笑う。
その姿がとても可愛らしく、私の庇護欲を駆り立てた。こんな妹が欲しかったなと、つくづく思う要因である。
『なら丁度いい。良かったら少しお茶でもしませんか』
珍しい私のその申し出に、彼女は威勢よくぜひ！と返事をする。立ったままでもなんだから、とタイミングよく近くにあった公共用のベンチに腰を降ろして、ということになった。
赤「そういえば、Aさんってどうやってエリートになったんですか？」
『えっ、そうくるか。うーん…ある人のおかげかなぁ』
定時近い時刻ということもあって、いつもなら人が混みあって座ることの出来ないベンチに、2人並んでそんな会話をする。
38は、「ある人」が一体どんな人なのか非常に気になるようで、ある人？ある人？と何度も言葉を繰り返し、私に説明を催促してきた。
心の許した人には、かなりフランクな接し方をする子なのだろうか。
少しだけ人間らしい彼女の一面を垣間見たと思いながら、そうだなぁと前口上を言って、その言葉を口にした。
『私、ずっと好きな人がいるんだ』
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まみむのめ(プロフ) - 結(むすび)さん» はじめまして！コメントありがとうございます！結構時間をかけて作ったものなので、そう言って頂けてありがたいです！ (2021年6月5日 1時) (
レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
結(むすび)(プロフ) - コメント失礼します、、！最後まで読ませていただきました。作者さんの文章の書き方も設定を細かく考えている所も、キャラとの関係性も、主人公ちゃんのイラスト等も、何もかも素晴らしかったです！素敵な作品をありがとうございます、、 (2021年5月18日 18時) (レス) id: 0ce8940541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみむのめ | 作成日時：2021年3月5日 16時
