【はた細】お嫁さんになって！【4989】

擦り傷騒動おまけ ページ10

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後日、ばったり会ったイケてる顔？の白血球さん(識別番号は2048)に、あの後脾臓へ送られてしまった4989さんのその後を聞いた。

「しばらく休養、ですか」
「そう。どうも吹っ飛ばされたときに当たりどころが悪かったみたいでね。ひょっとしたら二度と目が覚めていなかったかもしれないわねって単球さんが」
「そ、そんなに酷かったんですか。それじゃあちょっと違えば、あの後脾臓でそのまま分化になって…」
「ま、今は細胞アパートの空き部屋でのんびりしてるから、大丈夫。いやーこれも愛の力かなー。で、君は4989の奥さんになるの？」
「うー、だから何ですか、奥さんとかお嫁さんとか結婚とか…。わかりませんよ。考えたことないですし、聞いたことだってほとんどないですし…」
「ははは。いや冗談だよ。アイツにも、白血球としての自覚は持てってちゃんと言っとく。1146番がキラーTにされたみたいに頰を殴ったりはしないから安心して」
「頰を…なぐ…？1146番さんが？」
「あれ、アイツのことも知ってたか」
「ええと、というより…1146番さんのことで4989さんと知り合ったというか…」
「えっそれどういうこと？詳しくプリーズ」
「ちょっと個人的非常に恥ずかしい話が入ってますので割愛でぇ…」
「聞かせて。4989との馴れ初め！ね！」
「だから馴れ初めとかじゃないですって、私4989さんとは普通に恩あるお知り合い…」
「おお、なるほど！？」
「あっ、もう行かれるんですか。…まあいいや。お疲れ様でーす…」

「お前、まずは友達からだぞ」
「えっなに突然なんなの2048番」
「お前の未来のお嫁さんはまだお前のこと知り合い程度にしか思ってないってこと」
「――そんな！？――いや確かによく考えたらそうだわ！」
「アホなんだなお前…」
「俺だってアホなだけじゃねーし！この体にこうして生まれついたんだ、好中球としての仕事は何よりも優先するし、あの子のことだって本当はどこかで笑顔で頑張っているのを知ることさえできれば、それでも構わない」
「……」
「でも、一度泣いてる姿を見ちゃったんだ…。もう二度と泣かせたくないって、笑顔でいるかいつでも確認したいって、思っちゃうだろ？」
「いつでも確認したいかは、わかんねぇけど…」
「…あーあ。俺、あの子にめっちゃ惚れたんだなぁー」
「ちゃんとその自覚はあるのか。ならまだよかった。ちなみに具体的にどんなところが」
「あっ嫁にしてぇーって思ったのはあの子が笑って俺の涙拭いてくれたとき」
「へー」

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