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こわかった4989 ページ8

頷いて、額にはりついた彼の前髪をそっと分ける。すると、その仕草に目をつむった4989さんのまぶたの奥から、一滴の涙が落ちてきた。

「…怖かったんですね」
「すごいこわかった」
「もう、大丈夫ですから」

微笑んで、そっと彼の頭を撫でる。
先ほどの細胞さんとの会話をしたあと、私が悩みを消して明るくなれたなら、この人にその明るさを伝えられたらいいなと思っていたことを思い出した。

「ふは、髪がふわふわ」
「Aちゃんが優しくて泣ける」
「泣いてますよ。もう。あ、そうだ」

ふと気づいて、私はポケットから畳まれたハンカチを取り出した。
ぽろぽろと溢れる4989さんの涙をそのハンカチで拭きながら、ゆっくりと彼に言う。

「これ、あのときのハンカチです。支給品だから新しいのもらっているかもしれないんですけど、一応返そうと洗っていつも持っていて…。飴玉も、ありがとうございました。あのとき私、とっても4989さんに助けられたんです。あなたに会えてよかったって、心の底から思いました」
「Aちゃん…」
「だから今度は、私があなたに何かを返したいんです。優しい言葉も、明るい笑顔も、全部あなたは持っていますけど、あなたが泣いていたらこうやって涙をふいてあげたいし、怒っていたら背中を撫でてあげたい。…すごく自分勝手なのはわかっているんですけどね」
「…Aちゃん」

あ、あー…なんだか物凄ーく恥ずかしいことを言っている。こんなこと言われても白血球の4989さんなんてキョトンでしょ、えっべつにいいとか冷静に言われるのがオチでしょ、だって普通そうだもん……

「Aちゃん」
「は、はい」

呼ばれていたことに気がつき、慌てて彼の頰に置いたままだった手を引っ込めて返事をする。
4989さんは大きな瞳をしっかりと開き、じっとこちらを見つめて息を吸った。

「君の気持ちはよくわかったよ。会えて嬉しいなんて言われただけでも、俺にとっては飛び上がりたいくらいのもんだし、こんな俺に何かをくれるなんて夢みたいだ」
「は、い…」

「で、それを踏まえての提案なんだけど」
「はい」

「Aちゃん。俺のお嫁さんになってほしい」
「は――――、はあ?」

お嫁さんになって!→←落ちてしまった彼の安否は



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お魚煮干し(プロフ) - オザさん» キラーさんには殴られたくないなぁww続きも頑張ってくださいね♪(゚ー゚*) (2018年9月2日 10時) (レス) id: 7be352b008 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - カノン♭さん» ありがとうございます!話の途中と最後で、あの言葉の重さが違っていることが伝えられればなぁ〜と思って書きました!最後までお読みいただきありがとうございます!! (2018年9月2日 9時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
カノン♭(プロフ) - 第一部完結お疲れ様です!話の途中と最後に題名回収。とても好きです!!!! (2018年9月2日 0時) (レス) id: ac2788321e (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - まじかるれいん☆さん» 終わり方気に入ってくださる方がいてよかった〜〜ぁ!楽しんで読んでいただけたようで本当に嬉しいです、続きも頑張りますのでお待ちください!最後まで読んでくださりありがとうございました!! (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - yamanaさん» ありがとうございます!!素晴らしいだなんてそんなに褒められたことなかったので今嬉しさでうぐうぐ言っています…。はい、続きも頑張ります!ここまで読んでくださりありがとうございました!! (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オザ | 作成日時:2018年8月7日 11時

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