【はた細】お嫁さんになって！【4989】

エプロンドレス ページ23

「はーーめんっどくさいことしてんだなぁ。好きなら好きでさっさと押し倒して体の奥から愛し合ってキラーT細胞にボコボコにされればいいのに」
「それも面白そうだね☆」
「…約束っすからね、樹状さん。アイツのサイトカイン作るの協力する代わりに、ちゃんと俺の、その…やんちゃしてた頃の写真、捨てといてくださいよ」
「もちろんだよ2048番くん」

あ〜〜ごめんなA番ちゃん〜〜と2048番は巻き込むことになる赤血球に対して心の中で合掌と土下座を繰り返していた。


【それは服装ゆえか気持ちゆえか】


「せんせぇ……」
「あらあら情けない声上げちゃダメよ。教室に入ったらあなたも『先生』なんだから」

半ば引きずられるようにしてマクロファージさんに廊下を連れられていく。
ほらほら、と変わらぬお美しい笑顔を貼り付けた彼女は殺し屋であり掃除屋、そしてここ骨髄の学校では「先生」と呼ばれている。

「あのですね先生、脱核した赤血球の女がエプロンドレス着るのって実は結構恥ずかしいことなんですよ…！？」
「うふふ、似合ってるわよ〜」
「会話のドッジボールッ！」

憤りながら、それでも小さい頃からお世話になっているマクロファージさんには逆らえずむしろ協力したい気持ちもないわけではなく、私は恥ずかしさに項垂れながら廊下を進んでいく。
私が今身にまとっているものは普段の赤血球の制服ではなくエプロンドレス――そう、この赤色骨髄において赤芽球の女の子が着る服なのだ。もう既に脱核を終えた赤血球が、間違っても着るものではない、はずなのに、なぜか私は、これをマクロファージさんに着させられて！

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