骨髄訪問 ページ19
「う〜んいいモノが撮れた…☆」
「いいもの？見せてー！」
「見たい見たーい」
「いいよ☆ホラ」
樹状細胞は、手にしていた撮りたての写真を血小板たちに見せる。
「わあ、仲良しさんだ！」
「こっちは赤くなってるー！」
きゃっきゃとはしゃぐ血小板たちが見ていたのは、人のいない足湯でたった二人ゼロ距離でくっついて何やら楽しげに会話している赤血球と白血球、そしてもう一枚、その二人がなぜか赤面してお互い目を逸らしている、妙にワケありな写真だった。
まだあるよ、と彼らの写真を血小板たちに見せながら、樹状細胞は人の悪い笑みを浮かべる。
「好中球、4989番…。殺気に直結した勢いと馬鹿力、それから持ち前の敏捷性と身軽さでかなりの戦闘成績を誇っている、か。…よし。今後は彼を追いかけて、もうちょっとサイトカイン…作っておこっかな？」
【言葉の裏の気持ちを教えて】
「わーっ！」
どしんと、脚に何かが追突してきて私はびっくりしながら振り返った。
「わわっ！？あっ――大丈夫？ごめんね、痛くなかった？」
「だ、だいじょ、ぶ…」
抱えていた箱を置いて、自分の真後ろにべたーんと倒れていた赤芽球の女の子を助け起こすと、彼女は痛そうな顔をしながらも必死に泣かないよう歯をくいしばっていた。
「お、泣かないのえらいねぇ。よしよし。強い子は立派な赤血球になるよ！」
「ほんとう？」
「ほんと！」
「おねえちゃんみたいに、なれる？」
「アッ…うん！もちろんだよー！」
この歳になっても人前で泣きまくってる、しかも同一人物の目の前でもうすでに二回は涙流してるとか言えねえな、と思いながらもそれを笑顔の裏に隠して幼女をよしよしする。
「そうだ、飴あげるよ」
「あめ？」
「泣かなくてえらかったね、って。喉に詰まらせちゃいけないから、ちゃんとゆっくり舐めるんだよ？」
「わかったー！」
「よしいい子ね。遊びながら食べちゃだめだからね」
「うん！ありがとう、赤血球のおねえちゃん！」
またねー、と手を振る赤芽球に手を振り返して、荷物を抱えて建物の中に入っていく。
今日の酸素の配達先は赤色骨髄、私たちが生まれ育った故郷のような場所だった。
指定された場所に荷物を置き、受け取りの人が来るのを待つ。赤芽球たちのはしゃぐ声を聞きながら、壁にもたれて一息ついた。
「はー……懐かしいなぁ。マクロファージ先生いるかなぁ」
「好中球先生はいるぜ」
「！？」
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お魚煮干し(プロフ) - オザさん» キラーさんには殴られたくないなぁww続きも頑張ってくださいね♪(ﾟーﾟ*) (2018年9月2日 10時) (
レス) id: 7be352b008 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - カノン♭さん» ありがとうございます！話の途中と最後で、あの言葉の重さが違っていることが伝えられればなぁ〜と思って書きました！最後までお読みいただきありがとうございます！！ (2018年9月2日 9時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
カノン♭(プロフ) - 第一部完結お疲れ様です！話の途中と最後に題名回収。とても好きです！！！！ (2018年9月2日 0時) (レス) id: ac2788321e (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - まじかるれいん☆さん» 終わり方気に入ってくださる方がいてよかった〜〜ぁ！楽しんで読んでいただけたようで本当に嬉しいです、続きも頑張りますのでお待ちください！最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - yamanaさん» ありがとうございます！！素晴らしいだなんてそんなに褒められたことなかったので今嬉しさでうぐうぐ言っています…。はい、続きも頑張ります！ここまで読んでくださりありがとうございました！！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オザ | 作成日時：2018年8月7日 11時
