パツパツ筋肉班長 ページ17
という出来事からたった二日後、足首付近を通過する赤血球の群勢を警護していると(何しろ足からは細菌が入りやすい)、ポンポンと肩が叩かれて4989番は慌てて振り返った。
ひょっとしたら彼女かもしれない――そう思って見た先には、筋肉質な巨躯をパツパツの女物の制服で包んだ、男…？の赤血球が。
「あ、はい。どうかなさいましたか？」
最早ホットパンツという域のショートパンツから伸びるガチガチの太腿におののきそして好中球の存在意義を見失いかけながら、かろうじて4989番は業務に則って問いかけた。
【襲来！オカマ班長】
「アタシは赤血球BD-6500番。BD班の班長よ。BD-A番がお世話になったようね」
「…Aちゃんの」
はっとした4989番に、やっぱりそうなのね、と男？は真っ赤な口紅を塗った唇の端を吊り上げる。そして。
「二日前のことォ！！ウチのくっそカワイイA番が涙いっぱい浮かべて真っ赤な顔で肺に帰ってきたんだけど！！どういうこと！？ねえ！絶対原因アンタでしょ！！私知ってるのよ、あの日夏だってのにあの子がアンタと一緒に足湯の方行くとこ見たんだから！！アンタ免疫系なんでしょ！ただでさえこんなに暑いんだし！のぼせないかくらい！見といてあげて！よ！」
怒涛の叱責に自分のくせ毛もビュォオと吹き飛ぶ。
「あ、はい……すんません、多分、結構、めいっぱい俺のせいです……」
どうにかそれだけ答えると、アラ、とオカマ班長は目を開いて、
「ってアンタも真っ赤じゃない。大丈夫？水飲む？」
と手に持った紙コップを差し出してきた。
不覚にもあの日のことを思い出して赤面してしまったらしい4989番は、有り難くそれを受け取って一気に呷る。
「あごめんそれあっつい茶だわ」
「フングウウウ！？」
「きったないわね」
4989番が熱さに吹き出した茶をするりと躱すと、オカマ班長は気が済んだように笑って、びしょ濡れになった4989番の鼻先に人差し指を置く。
「フフ、今のはこの間あの子をあんなに可愛くしてしかもそれを独占していやがったアンタへの個人的な報復よ。ったく、好中球があの子を熟れさせるなんて全くの不覚だったわ。ほんと、しくじっちゃった」
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お魚煮干し(プロフ) - オザさん» キラーさんには殴られたくないなぁww続きも頑張ってくださいね♪(ﾟーﾟ*) (2018年9月2日 10時) (
レス) id: 7be352b008 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - カノン♭さん» ありがとうございます！話の途中と最後で、あの言葉の重さが違っていることが伝えられればなぁ〜と思って書きました！最後までお読みいただきありがとうございます！！ (2018年9月2日 9時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
カノン♭(プロフ) - 第一部完結お疲れ様です！話の途中と最後に題名回収。とても好きです！！！！ (2018年9月2日 0時) (レス) id: ac2788321e (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - まじかるれいん☆さん» 終わり方気に入ってくださる方がいてよかった〜〜ぁ！楽しんで読んでいただけたようで本当に嬉しいです、続きも頑張りますのでお待ちください！最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - yamanaさん» ありがとうございます！！素晴らしいだなんてそんなに褒められたことなかったので今嬉しさでうぐうぐ言っています…。はい、続きも頑張ります！ここまで読んでくださりありがとうございました！！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オザ | 作成日時：2018年8月7日 11時
