僕らのマドンナ。【畑】

衝動とはこの事か。 ページ5

はじめside

畑のみんなと飲みに来た。
どうやら隣の席は会社の飲み会らしい。





だ「はじめくんがこんな店好んでるなんて知らんかった！」


は「ばかもの。一応ここ穴場だよ？お客の年齢層は高いし、結構路地入ったとこにあるし」


た「ねえねえ、あれって結構やばくなってないっすか？」


や「俺も思ってた。あれ絶対セクハラされてるよ」


は「セクハラ！？」


ト「あの子、めっちゃ嫌がってる」








そう。たなっちが切り出した言葉で
全てが変わり始めてく。









た「めっちゃ可愛い、あの子」


や「タイプだわ」


だ「タイプだなー、みんなあれは」


ト「妹にしたいな、うん」









みんなが意味不明なことを言ってる中、
俺はとにかく君の顔をただ見つめてた。






会社の奴、誰でもいいから気付けよ。
嫌がってんじゃんか。









でも酔っ払った人たちは気付かない。









は「…ちょっと行ってくるわ」


だ「え、ちょ！はじめくん！？」









た「…惚れるね。あの子に。」


ト「確定っすね」


だ「どうなるかな？」


や「楽しみ(笑)」









後に残ったみんなの会話を知るのは
もう少し後の話になるけど。









俺は自分でも驚いてる。
こんなに行動力があるなんて。
そして度胸があるなんて。








ただ、助けなきゃ。
そう思った時には動き出してたんだ。









店の外で君の顔を見て、声を聞いて
何も悪くないのに謝ったりして。
必死になっている君はとても可愛くて。









連絡先聞こうとしたけど、
そこに偶然グットタイミングで
たなっちが俺を迎えに来た。









君とは別れ、店に戻る。









た「はじめくん、惚れたっしょ。あの子に」


は「だ、だったらなんだよ？！」


た「いーや？ただ負けないよって言いたかっただけっすよ」









たなっちの心は
誰にも読めないのである。









それと同時に
なんとなく直感で畑のみんなは
あのAちゃんって子に惚れたって思った。









今度また会えるなんて保証もないのに。









とんでもねぇ片想いだ。









は「でもあの子、俺らのこと知らないよ」


た「え、嘘じゃん。マジっすか？！」


は「まじ。全然と言っていいほど」


た「じゃあ知ってもらうまでっすね」









たなっち、君の頭を覗かせてくれ。←

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