非常識な男 ページ27
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「お兄ちゃんの友達…です」
翔「一緒に住んでんの？」
「……はい。色々あって」
なるべく平静を装って答えるけど、
心は尋常じゃないくらいハラハラしてる。
じ…っと探るような目に何もかも見透かされてしまいそうで。
重苦しい雰囲気の中、
櫻井先輩の顔からはさっきまでの笑顔はすっかり消えていた。
翔「…職業は？年齢は？」
「……え？」
いきなり質問攻めにされて、答えにつまる。
二宮さんは自分のことはほとんど語らない人だから、私は何も知らなくて。
「それは、その……」
当然、上手く返事が出来ない私に
櫻井先輩は不審げな目を向けて、大きな溜め息を一つ落とした。
翔「……得体の知れない男と一緒に住んでるってこと？」
「っ………」
『得体の知れない男』
確かに、それは間違ってない。
傍から見たら誰だって不自然に思う関係。
前に住んでたマンションの大家と大ゲンカだなんて…不自然すぎる理由だろう。
騙されてたっておかしくないってことは、
言われなくても分かってるから。
翔「そんな非常識な奴、さっさと追い出した方が身のためじゃない？」
翔「…いつ襲われたっておかしくないと思うよ?」
櫻井先輩が、私のこと心配して言ってくれてるのは分かる。
だけど
だけど…＿＿＿＿＿
「二宮さんのことはっ…悪く言わないでください」
不思議と口から零れるのは、彼を庇おうとする言葉ばかりで。
…だってあの人は、
本当に私が嫌がることはしない人だって…知ってる。
口ではよくからかってくるけれど、
実際に手を出されたことは一度も無いんだから…＿＿＿＿＿。
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作者名：りま | 作成日時：2013年12月29日 11時
