【文スト】きみも悪い人でよかった 第二章【中島敦】

三十五 ページ9

敦君の顔を見て見ると、今までに無いぐらい驚いていた

こんな君の顔

見たの初めてだ


『敦君驚いた？』


きっと私は満面の笑みをうかべていると思う

子供のようなイタズラ心で、やってやったぞ！という気持ちで、笑いが抑えられない


「あ、うん…ちょっとびっくりした………あ」


敦君は何か気がついた

すると忽ち敦君の顔は真っ赤になって行く


『？』


「わ、あぁ…」


『……！』


敦君が顔を真っ赤にしているものに私は気づいてしまった


私は敦君に抱きついている訳で、当然躰は密着している…


それでさえ恥ずかしいのに、私は敦君の躰に胸を押し付けているようになっている


私より少し身長の高い敦君からは、それがはっきりと見えている事だろう……


『わぁっ！』


私は急いで敦君から離れた


それで体制を崩した私は、背中から海にダイブしそうになった………が


敦君が私の腕を掴んでくれたおかげで、私は無事だった


しかし、私は顔に熱が集まるばかりだった


『だだだだだ大丈夫だよ！』


敦君に掴まれている腕を振り回す


恥ずかしい

この時ばかりは、死にたいと思った

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