【文スト】きみも悪い人でよかった 第二章【中島敦】

五十二 ページ26

そして私達は先程の数名で川に到着した

川を初めて見た私は、川に足を踏み入れて直ぐ、当然はしゃぐ訳で…


『敦君此方向いて！』


「え、何？…わっ、ちょっとAちゃん、急に顔にかけるのは反則だよ！」


敦君はそう云って、私の頭に水をかけてきた

凄い冷たいが、気温が暑いから全く苦じゃない


「敦君達、少し川の流れが強いから気をつけて」


『は〜い』


「判りました」


この谷崎さんの注意に私達は返事をした

しかし、内容は全く頭の中に入っていなかった


私は、また敦君に水をかけられそうになり、避けようとした時


大きな石を踏み、体制を崩した


『わっ！』


そして、流される……と思っていたが

敦君に抱えられ、危険から逃れる事が出来た


「Aちゃん大丈夫！？」


『死ぬかと思った…』


私は少し落ち込んだ

この後直ぐ、全身びちょ濡れの私と敦君は、日向の方で体を乾かしていた


日向ぼっこで、睡魔に襲われそうになっていた時


数十米先で、沢山の人が集まっているのが見えた


『敦君、あれって…』


「うん、行ってみよう」


私達は向かった

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