【文スト】きみも悪い人でよかった 第二章【中島敦】

三十 ページ3

『宇宙です！』


「「宇宙？」」


『あれ？違いますか？』


結構自信あったんだけどな……


「不正解だ。しかし、何故そう思ったんだい？」


『これがブラックホールに見えるからです』


私はど真ん中にある大きい黒い渦に指を指した


『鏡花ちゃんが教えてくれたんですよ』


私がそう云うと鏡花ちゃんはコクリと頷いた


「しかし、どうやって私が宇宙の絵を描いたと云うんだい？流石に私でも宇宙へ行けないよ」


『え、行けないんですか？』


「Aちゃん、ちょっと無理があるよ」


『でも、太宰さんならあれができるかなって』


「あれ？もしかして幽体離脱？」


敦君の問に私は直ぐに頷いた


『うん』


「確かにそれなら太宰さん出来そうだね」


『でしょ！』


すると太宰さんの突っ込みが入るかと思いきや


「いや、無理だ。昔に一度だけ試したことがあるが出来なかったよ」


「できないんだ…」

太宰さんなら簡単に出来そうだと思っていたから少し驚いた


「それにしても、太宰さんに自_殺以外することがあったんですね」


「敦君、突然凄い事を云うのだね。幽体離脱での自_殺方もあるらしいからやってみようと思ったのだけれど」


『やっぱり死ぬことしか考えてないんじゃないですか』


「うん」


私達がそうやって話していると
鏡花ちゃんが窓を指差して云った


「ねぇ見て、綺麗」


私達はその方向を見た

するとそこには青く光輝く、何処までも果てしなく続く海があった


これを見た私と敦君は大はしゃぎした


そしてこの後、国木田さんにこっぴどく叱られたのであった

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