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江戸川side
｢ってことがあったんだ｣
降谷、諸伏、萩原と交代制で話し手が入れ替わり、全ての話を聞いても、俺はちょっと信じられなかった。
｢それ本当に？萩原隊員が突っぱねられすぎた結果の妄想とかじゃなくて？｣
｢俺どこまで信用ないのォ？！｣
｢ちなみにオレらも途中からドアの隙間から見てたんだけど、桐生の顔真っ赤ですっごく面白かったよ｣
机に突っ伏す萩原隊員、その様子をカウンターから覗き込んで笑う緑川さん。安室さんは当時の情景を思い出してるのかニコニコ。この人たち俺に公安ってバレてから、周りに人いないと思いっきり同期エピソード全開にしてくるんだよな……日本警察大丈夫か？
｢そういえば、桐生刑事の弟さんの個展が近々開かれるそうですよ｣
桐生刑事の弟、桐生湊さんは写真家兼画家として海外で実績を積んで日本に帰ってきた美術界においての覆面スーパー新人。今回初めて単独大規模の個展を開くにあたって俺らに話とともに招待券が来た
｢オレらはチケット前日関係者公開と当日券の2枚1組で貰ったんだ、安室さんと来てねーって湊くんから｣
｢ボクも9組もらった！！いつもいるみんなと一緒に来てって一昨日もらったよ！｣
と、俺が言うと安室さんがピクッ、と反応した。9組？と呟きながら指を折って人を数え始めた。
｢コナンくんと少年探偵団と阿笠博士で6組…｣
｢女子高生3人組と毛利探偵で4組…、1組足りなく無いか？｣
｢園子姉ちゃんは自分で調達したんだ、今回の会場に1枚噛んでるから｣
そう言うと3人は｢あぁ…｣と揃いも揃って空を見た。そしてその後必然的にまだチケットのことを聞いてない萩原隊員にその目は向いた。
｢俺と陣平ちゃんと班長はA経由で貰ったぜ、ちなみに班長のは彼女さんの分も入れて。でも前日準備には2人とも来れないみたいだから、当日券だけ4枚で関係者公開は俺と陣平ちゃんの2枚。
それにしてもなんでも今回は初めての大規模らしいから、湊の仕事やばそうなんだよね。昨日会ったけど凄い隈だったよ｣
｢そりゃあ今をときめく写真家兼画家だから、多忙も多忙でしょうね｣
その言葉に緑川さんが少し苦笑いをして小声で呟いた
｢隈だったら人のこと言えないやつがここにもいるけどな…｣
……心中お察しします
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作者名：はしゅら | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hassyu
作成日時：2023年12月30日 21時
