ツンが強すぎる萩原彼女の話【警察学校組】【名探偵コナン】 (ページ6)

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あのクールな桐生が、俺のために泣いてくれてる。こんなにも取り乱してくれてる。そう思うだけで嬉しくなってしまうのは惚れた弱みであろうか。それと同時にここまで深く傷つけてしまった、自分の軽率な行動が彼女の不安を助長させてしまった。だからその慰めとして彼の手は彼女の頭に乗った。

そのまま安心させるように何往復か。しゃくりを上げる彼女の呼吸が落ち着くまで、ゆっくり。サラサラな髪を時折梳くように撫でると、案外すぐ呼吸は戻った。この撫で方が落ち着くのだと前に言ってたことを思い出した故の行動である。

『……こんなこと、死んでも言ってやんないと思ってたけど』

｢うん｣

一呼吸、肩が大きく上下して乱れた髪の中から鋭い双眸が萩原を射抜いた。

『研二が居ないと私、生きてけない…！！だから、私より1秒でも長く生きて、先に死んだらぶっ殺す…ッ！！』

だんだん大きくなる声に比例して締め付けられる首元をものともせず、萩原はただ彼女が愛しいというように優しく背に腕を回した。

そしてベットに体重を掛けていた彼女の腕を引き、バランスを崩したところで自分の脚の上に身体を乗せた。

乗せられた桐生は、怪我も治ってない身体に負荷をかけてしまうことを心配してすぐ退こうとしたが、萩原がそれを阻止するように回す腕の力を強めた。

『ちょっ、萩原、まだ怪我治ってないんだか─────』

｢“研二”｣

『は、？』

｢さっきは研二って呼んでくれたのに、もう呼んでくれないの？｣

『ッ─────！！』

萩原は知っている。桐生は俺が下から見上げてキュルキュルした目で見ると大抵のことを容認してしまう事を。

『……け、んじ

さん』

｢なんでさん付けなの！！！｣

だが必殺技を持ってしてもシラフにおいての羞恥心は拭えなかったようだ

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