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バサリ、宵闇に白が映えた









「おやおや、随分と騎士(ナイト)が多いですね」






もう一歩踏み出し上を見ようとすると、巨大ハトが……違う怪盗キッドが上から降ってきた。キッドはそのままベランダの手すりに降り立つ、月明かりを背にした逆光で大きな影が俺たちに覆いかぶさった


後ろで松田と伊達が素手で構え、諸伏と降谷はジャケットの内側に手を入れる。ガキンチョはスニーカーに手を当ててキッドを睨みつけた。






俺ももちろん構えを取ったが、キッドの腕の中にあったものを見て一気に頭に血が上る






「A…ッ!!」




「姉さん!!」




「…桐生に何した」




「おや……。どうやら、あらぬ疑いを掛けられているようですね」






ドスの効いた声で松田がキッドに問うも、言葉さえのらりくらりと交わしやがる。






「ご安心下さい、薬で少し眠っていただいただけです。衣服も乱れていませんよ?」






当たり前だ、そんな事をしていたら今お前は八つ裂きになってる。早くAを返せ、触れるな、全部ぶつけたいけど、きっとそうしたら手も出てしまう。なけなしの理性で耐え、手のひらに爪がくい込んだ






「おや怖い。いくら愛とはいえ、締めつければ締めつけるほど、相手には息苦しさを与えるばかりですよ」




「……ッ、」




「萩原、抑えろ」




「いくら怪盗といえど、手を出しちゃダメだ」






ニコニコ、ニコニコ。あぁ血が煮えくり立つ、自分から殺気が出ているのが分かるほど俺はイラついているけどどうにもならない。睨みつけていると極わずかにキッドの口元が動いたのが見えた。





「…… (この人たちなら、守ってくれるかもしれない)




「は…、何言って」







「用件は終わりました、なのでお返しいたします。


また逢う日を楽しみに─────」


















瞬間、トランプが風と共に吹き荒れた











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作者名:はしゅら | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hassyu  
作成日時:2023年12月30日 21時

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