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『あんたが怪盗キッド…』
「こんばんは、今宵は月が美しいですね。貴方と見るからでしょうか?」
『はっ、噂に違わぬキザさね』
ベランダから跳ね上がるように屋根に登ったキッドを追いかけ、私も屋根の上。夜風が身体に染みる、雰囲気ぶち壊しで悪いけどクソさみぃ。肌露出面積高ぇんだわこのドレス。
『狙ってたのは太陽神じゃないの?』
「……あの作品も魅力的ですが、私の目的は貴方です。桐生Aさん」
1歩1歩、歩み寄ってくるキッドに対して私は動かない。以前大きなシルクハットが影を作って顔は見えないが、声からしてだいぶ若い
『なんで私を?』
「私は忠告をしに来たんです」
忠告?そんなのされる覚えがない、ましてやキッドなんて怪盗に。一体なんで…
そう考える間にキッドはもう目の前に、帽子に手をかけると拒否もされない。
『忠告も気になるけど……。このシルクハット、取ってもいい?』
「……困りましたね、レディの手は振り払えませんよ」
了承と受け取り後ろにハットを取る。現れたのはやはり若い顔立ちの青年、高校生くらいだろうか
それと何処と無く見覚えがある気がする、世界には似た人が3人いるというがその類いだろうか
『結構ガキね、なんで怪盗やってるの?』
「おや、それは答えられませんね。秘密が多いほど暴くのは楽しいものでしょう?」
『へぇ、それ暴いて欲しいって言ってる?』
「想像力の豊かなレディは嫌いでは無いですよ」
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作者名:はしゅら | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hassyu
作成日時:2023年12月30日 21時