20 ページ21
'
『皆さんお忙しいところ引き止めてすみません、ようやく犯人がわかりました』
私がそう言うと容疑者3人は驚いたように席をたち、信じられないと言った表情で互いの顔を見た。
｢まず、被害者が持ってた真っ白なレシート。通常何も印字のないレシートなんてのはないから字が消されたと思うのが一般的だ｣
｢そしてレシートに使われる感熱紙はアルコールで消える、一定の熱が加わるとまた印字できるという特徴があるわ｣
｢この特徴を使い、被害者である東さんは皆さんのイニシャルが刻まれた指輪のある一点……犯人のイニシャルだけをライターで熱しレシートに印字しました｣
｢でもそれを犯人に見られてしまった。だから犯人はアルコールで文字を消した……だが、そこで想定外のことが起きた｣
私、松田、佐藤ちゃん、高木、伊達の順番で一つ一つ説明をしていく。そして次に視線が向いたのはずっと下の方
｢犯人さんは手が震えてて、元々書いてあったところもアルコールが溢れて消しちゃったんだ！！不自然に文字が残るのも怪しまれるから、真っ白にしてただの紙ってことにしたかったのかなぁ？｣
｢って事は、酒を持ってた根津…？！｣
｢お前ッ、よくも友達を！！｣
｢『まだ推理は終わってない』｣
私と江戸川少年の声が重なる。目を合わせてニンマリ、息をひとつ吸ったのはどっちだったか
『アルコールなら先程見せてもらいました。塩原さん、あなたも持っていますよね？携帯用の消毒液を…』
｢それに殺害に使われたのはすぐに効く青酸カリ、お酒を作った根津さんは確かに毒を盛りやすいけど、あんなにグラスが空いてたんならとっくに死んでるよ！！｣
『江戸川少年の言う通り、それに貴方もみんなと同じく東さんと2人きりになるチャンスはあった…。そして毒の効く時間とレシートから考えると、塩原さんにしか犯行は出来ない。それに、半身麻痺でアルコールを零したなら説明はつく』
刑事5人と子供の視線1つ、耐えきれないとでも言うように見つめられた塩原さんは崩れ落ちた
'
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はしゅら | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hassyu
作成日時：2023年12月30日 21時
