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改めて3人の持ち物を見ると、案の定アルコールを持っている人が。
『……塩原さん、随分手が荒れているようですが洗い物を良くされるんですか？』
｢あ、いえ……実は軽度の潔癖症で、消毒液を何かとつける癖があるんです｣
そう言いながら少し震える手で消毒液の入れ物を見せた。そういえばこの人少し右側の動きが硬い、表情含め
『そうですか……それともうひとつお聞きしたいんですが、もしかしたら事故などなされましたか？』
｢……凄いなぁ、どうして分かったんですか？｣
『右半身の動きが固く見えたので、もしかしたら軽度の麻痺かなと』
驚いたように眉を上げ、｢えぇ、3年前に交通事故で神経を痛めてしまいまして…｣と言う。段々と頭の中で繋がってきた。容疑者3人の見張りを別の刑事へ頼んで私はニヒルに笑いながら足を進めた。
鑑識から情報をもらってきた伊達と共有している3人がいる別室へ向かうと、松田がいち早く気がついて首を傾げた
｢おい、単独行動してるみたいだけど収穫あったのか？｣
『大収穫、だから戻ってきた』
ノートを取りだして、辻褄のあう推理を組み立てていく。いつの間にか隣にいた江戸川少年と確認し合いながら、筋の通った考えを書き記しみんなに見えるように机の上に置く。
｢おいおい、いつの間にこんな名探偵になったんだ？｣
｢確かにこれなら辻褄は合います…｣
｢けど証拠がアルコールならお酒にもあるし、根津もグルって可能性もあるわよ？｣
｢いんや、酒なら匂いが残る。特にここにある酒はスピリタスなんて度数のバカ高ぇもんはないからな。それに根津って人はかなりの酒好き、そんなのに大事な酒を使わねぇだろ｣
『って感じで犯人がわかったところで……あとは頼んだよ、江戸川少年』
｢……エ？｣
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作者名：はしゅら | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hassyu
作成日時：2023年12月30日 21時
