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日曜日。侑くんをトレーニングに送り出して、部屋の掃除を始めた。

窓を拭いたり、掃除機かけたり、ゴミまとめたり。よし、一通り終わったし、次は寝室かな。


とりあえずシーツを変えようと侑くんと私の枕を移動させようと、私の枕を持ち上げた。すると、小さな封筒が現れる。



「ん?」



興味本位で手に取り、裏返すと、何度も見たことのある細長い文字。侑くんが書く字。

なぜか胸がぎゅっと締め付けられて、泣きそうになった。それでも何とか涙を堪え、封筒を開けた。




『Aへ

いつもAがいっぱい俺に手紙を書いてくれるから、俺も書こうか思います。あんま慣れてへんから笑わんとってな?』



突然のサプライズに、堪えていた涙が溢れ出す。嬉しい。私は手紙が好きやからよく書いとったけど、侑くんからもらった手紙は数えられるくらいしかない。

いつも言葉で伝えてくれるから、それで充分やったけど、文字にしてもらえるんもこんなに嬉しいもんなんか。


いや、こんな序盤で泣くんはおかしいよな。続き読もう。

鼻を啜って、手紙の続きに目を通した。



『何書こって考えてみたら、Aへの感謝でいっぱいになったからひとつずつ書いていきます。


いつも美味しいご飯作ってくれてありがとう。栄養バランスとか考えてくれとるし、おいしいし、最強すぎん?こないだ遠征でお弁当食べようとしたとき、Aのごはん思い出した。胃袋掴みすぎやわ〜


隣で笑ってくれててありがとう。ほんまAツボ浅すぎやで。俺、Aが笑ってくれたギャグ、チームでやったら絶対すべんねん。なんでなん?Aあんな爆笑してるのに。

でもいつもAの笑顔を近くで見れて幸せです。これからもいっぱい笑わせたるからな。


しんどいとき、支えてくれてありがとう。プレー上手くいかんとき、俺がどんな不機嫌でもいつも通り接してくれて、優しい言葉くれて、家帰るたびほっとすんねん。機嫌悪くなんのはほんまにごめん。Aには迷惑かけたくないけど、Aにしか迷惑かけれんからこれからもお世話してくれ。


褒めてくれてありがとう。かっこいいとか大好きとか、何年経っても言われたら嬉しいもんやな。俺らバカップルなんかもしれんけど、ずっと愛の言葉は言い合おうな。Aほんまかわええからなあ!


手紙ちょっと恥ずいな。でもこれ全部本心やからな。


いつもありがとう。大好きやで。



侑より』






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作者名:いおり | 作成日時:2021年10月15日 8時

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