【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ48)

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全てつながる～男主視点～ページ48

『くだらねぇ』

今の自分のきもちだった
本当にくだらねぇ
こいつの考えること考えること本当、ろくなもんじゃねぇ

『柚子はどこだ？テロの首謀者さんよ』

付き合ってらんねぇ
さっさと柚子助けてやるか

「そう簡単に教えるか、第一柚子はもう記憶が戻ってるだろうからね」

このやろう
思い出させやがったな
一回思い出させてまた消そうってか
ふざけんな

「あとはあなたが全部教えてあげれば？見てたでしょ？柚子が私に刃物を向けた
なんとか怪我は軽かったけどあの子はそう言う奴なのよ」

「う、嘘だ！」
『嘘じゃないよ』

歌詞太郎さんが否定したい気持ちもわかる
だが、事実
俺はこの目で見た
柚子がこいつに刃物を向けているところを

『大体、刃物を向けたにせよ最初に手を出してきたのはお前だろ
正当防衛だ』

「手？私が何をしたって言うの？」

こいつ、俺が全部知ってることを知らないのか
ま、ちょうどいいや

『11年前のちょうど今日、人が二人死ぬという事件があった。
死因は不明、殺人か、事故か、自殺か…どれもわからぬままその事件は世間から消えていった
わかるか？この死んだ二人は柚子の父親と、母親だよ
覚えてるか？黒川よぉ』

お前が先に手を出したから柚子が怒ったんだよ

「なんでそれを…」
『なめんなよ』

終わりだ黒川
お前の人生最悪にしてやるよ
俺はいつだってお前の計画を壊してきたんだからな

「………いつの日か、テロが起こる数日前
私はいつもどおり貴方達と遊んでいた。
あなたはいつもどおり何も知らない、わかってないって顔して
ただ楽しかった。その時は。」

『だが、俺は引取り先がきまったことを言ってなかった。
しかもナノの家。それがお前は気に食わなかった』

「そう、だから首をしめた、あなたの首をしめて殺そうとした。」

『だが、柚子がそれを邪魔した。刃物をお前に向けて俺を救った』

「だからテロを起こしたのよ！お前もあいつも全部消えるように」

これがお前の計画だろ？
俺はテロが起きる一ヶ月前からナノの家に引き取られることが決まっていた
そしてあのテロの日、ナノは助かり俺は生死をさまよった
これですべて繋がる
俺は目の前で泣き崩れている黒川をただただ見つめていた