自業自得〜女主視点〜 ページ43
「――――――」
え、今…なんて？
聞こえなかった…聞こえなかったよ！？
もう一度――
コンコン
音がした窓の方を向くと
『え！？空君！！』
ほえら！？
空君…空君！？
どうして木の上にいるの！？
て、その前に開けてあげなきゃ！
窓を開ければスルスルと、まるで猫のように入ってきた
「今更だな…」
歌詞君が冷たく言う
やめてって言いたかったけど、歌詞君もすっごく心配してたから
仕方ないのかと思った
するとナノ君や天月さん、他の人もぞろぞろと部屋に入って来て――――
うん、そらる様が怖い
「あれー？空君って入院中じゃなかったのー？」
『ひ、姫歌ちゃん…それは…』
一気に空気を変えられた
生徒会の皆も一応知ってるみたいだし…
どうしよう…このままじゃ…
「黒川…姫歌…」
『――っひ、姫歌ちゃんちょっと！』
そう言って姫歌ちゃんの腕を無理やり引っ張って行く
「柚子ちゃん！？」
その声も耳に入らない
とにかく人が来ない場所に…！
そう思ってたどり着いた場所は…
『――ここ、どこ！？』
うん
まったくしらない場所だった
「ｸｽｸｽ柚子ちゃんらしいね」
『うぅ…』
「まぁ、丁度いいよ…2人きりになれたんだからね」
無駄にならなくてよかったと呟いている
あ…
そうだった
歌詞君に止められたばかりだったんだ
怒られる…！？
『…っ！？』
先の事を考えて苦笑いしていたら突然抱き付かれた
『ひ、めかちゃん…？』
「柚子ちゃんさー覚えてないでしょ」
『なに、を』
どうしよ…怖い
声が、体が震える
この子本当になんなの…
「やっぱり覚えてなーい…薄情ものー…」
『っだからなんのこｔ―――』
身に覚えがなくて、つい怒鳴る
だがその声は何かに遮られて最後までは言えなかった
『ん！？む…んんーっ』
口に何か――ハンカチを持った手、が当てられて…
――――息ができなくなる
「私の携帯さー、異常があったらなんでもいち早く伝えてくれる特注品なんだよねー
まぁ、この事を柚子ちゃんに言っても訳わかんないよね…
空君のせいで…可愛そう」
空君のせい…？
「さ、その子を車に乗せて。早くしないと見つかっちゃう」
姫歌ちゃんがそう言うと影から数人の男がでてきた
必死に抵抗しても酸素が入ってこないのと、強い力に敵わなくて
どうして2人きりになるような行動をしたんだ私…
自業自得じゃんか…
そこで私の意識は途切れた
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