危ないこと？〜女主視点〜 ページ37
『す―――すすすすすすいませんでしたっ』
もう一度頭を下げずにはいられなかった
そ、そらる様の顔が…！
お顔がこれ以上ないほどに…！！
「――また、迷ったの？」
『…はい』
「はぁっ…」
はぁって…
今露骨にため息つきましたよね！？
まあ、怒鳴られるよりましだけど…
「今度、」
『はい？』
よく聞こえなくて顔を上げる
「今度時間があるとき、一緒に学校まわろうか…覚えるまで」
『ぇ゛…』
え、マジですか…？
一緒にって、
お、覚えるまでって
どれだけ時間がかかると…それともあれですか？
身をもって覚えろとか何とか
いやいやいや
無理ですって
『で、でもそれじゃ…』
「なにか問題でも？」
首をかしげるそらる様
問題もなにも…
『そらるさんの休憩時間が…』
そう、この人はいつも仕事で忙しいんだ
休める時間は当然少ない
そんな時間を私のためにつぶすなんて…
「じゃあ、柚子ちゃんが早く覚えればいいんだよ」
『あっ』
そうか私が頑張れば…
「ﾁｯ…そらるん」
そこで突然聞こえた声
ナノ君だ
「ごめん無理だった」
「そうか…」
悔しそうに唇を噛むナノ君に休んでいいと声をかけるそらるさん
なにが無理だったのかな？
『歌詞君、ナノ君はなにをしてたの？』
とりあえず近くにいた歌詞君に聞いてみた
でも歌詞君は苦笑いして
「んー、柚子は知らなくてもいいよ」
そう言った
『そっか』
気になるが歌詞君のそういう顔は本当に教えたくないことなのかもって思う
でもなー…気になるよなー…
私に教えたくないこと…うーん？
なんか危ないこと、とか？
え、ナノ君危ないことしてたの！？
いやいや、これはあくまで私の憶測であり…
「―――――――」
『え、…』
なんだか知ってる気配を感じて振り向いてみるが
誰もいない
『…あれ…気のせい？』
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