【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ33)

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通常運転～女主視点～ページ33

「じゃあ、私こっちだから！」
『はい！後で！』

そらるさんやナノ君など、仕事がある人は生徒会室にいるのだろうが
私達は特にない
うん、これはこれで悲しい

頼りにされて…ないですよね私なんかが

きっと96先輩が来たのも私に気を使ってのことだろうし…
なかなか信頼というものが……難しいですなー

『おはよ…』
教室に入りながら呟く
それに一瞬遅れて沢山の視線が集まる

この瞬間が一番嫌い

最悪の気分で席につく

そして次に右隣から、
「柚子ちゃんおはよう！」
『姫歌ちゃん…おはよ』

そう姫歌ちゃんがニコニコと笑いかけてくる
全部わざと
私の反応を見て楽しんでいるのかはわからないけど

そしてなにより、私の気持ちを知っててやるのだから相当立ちが悪い

「はーい静かにー」
先生が気だるそうに入ってくると少しだけ静まる教室

「えー欠席は…」
本当にだるそうだ…
先生がそんなんでいいのかと思うくらいやる気がない

「空だけか…あ、そう言えば」
なにか思い出したように話し出す先生

内容は空君のこと
体調がすぐれないため長期の入院ということになっているらしい

なんだか…
『さすが生徒会…』

「あーそれと柚子ー」
『はい？』
「お前今から生徒会室行け」
『え、どうしてでｓ「行け」…はい』

“生徒会”という言葉が出た瞬間、皆の目が怖かった
やっぱり空君の噂は消えないか…

『行ってきまーす』
「かえってくんなー」
むっ
それが生徒に対する態度ですか！？と言いたかったがやめておく

そらるさん直々のお呼び出しだそうなので
遅くなったら何が待っているやら…

『――…あ、道…どっちだっけ？』

さっそく迷子＆フラグ

地図地図…こういう時にこそ使うんだよ…あ
地図ってバッグの中だ

ということは教室に戻らなければ？

でも、教室………どっちだっけ？

昨日は大騒ぎだったというのに、今日の私は通常運転すぎる

通常運転すぎて気付かなかった

・

「―――あれが“柚子”か」