【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ32)

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反撃～男主視点～ページ32

「へー、そんなことがねー」

相槌を打ちながらも黒川のことを調べる。

「つか兄なんていたんだな」

ナノのことを初めて知ったみたいでパソコンにナノの資料が映し出される。

『データーはコピったのかよ』

それくらいの仕事はコイツにとっては朝飯前だ。
SDカードを投げられた。

「そこに全部入ってる」

ならなんで俺に渡す。
というか終わっているなら早く履歴等を消して生徒会のデーターからシャットダウンしてくれ。

『んじゃ、なんでまだそこにいんの？』

朝の10：00。
そろそろ生徒会は本格的に活動する。
そらる先輩がパソコンを開けばすぐにハッキングがバレる。

「ちょっとねー、まぁ、10分くらいは平気だよ。ウイルス仕掛けといたし」

一般人なら、ね。
だが生憎生徒会にも俺以外にハッキング、ウイルス駆除が得意な人がいる。
ナノはその一人だ。

『ナノだったらそれ３分も持たないよ』

そらる先輩のことだ。
すぐにでもナノに伝えるはずだ。

「嘘だろ」

まだ、わかってないみたいだな。
ナノはいつも俺の前を行くんだよ。
俺で３分かかるウイルスなんてナノにとっては1分、いやもっと早く駆除される。
そうしたらハッキングがバレて終わりだ。
ナノのことだから一瞬でも見逃さない。
見つかったら最後。
パソコンからハッキング源を探られてここもすぐに見つかる。
さすがに焦ったのか履歴を消し始めた。

「危ない危ない」

もう二度と生徒会のデーターには侵入できないだろう。
ナノにパソコンが渡ればハッキングされたことくらいはわかる。
だがどこからハッキングされたかは特定できない。
となればロックのキーを変える。
また侵入したい場合は学校に行き盗み聞きをしなければいけない。
普通なら。

「マスターキー、どのパソコンにも使えるから便利だぜ」

だが生憎こいつはアメリカの情報屋だ。
マスターキーなどという便利なものは当たり前のように持っている。
そして仕事には絶対に欠かせないアイテムだという。

『さてと…反撃と行きますか』

情報も全て揃ったことだし、まずは黒川の父親の会社からハッキングしていこう―…