【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ20)

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まさか～男主視点～ページ20

『なんだ、天月君か…』
「俺じゃ不満？」

椅子に座りながら聞いてくる彼

『うーん…しゃむくんの方が良かった』

なんて冗談で言うとうるさいなんて言われた

「……柚子ちゃんさ」

『うん』

いきなり柚子の名前が出てくるとは思わなかった

「何か隠してると思わない？」

何か？
いや、確かかにちょっと表情は冴えなかったがこれといって変化はなかった

「ろん先輩何か言ったのかな」

まさか…
いや、そんなはずない

でももしそうだったら一体何を？

…無理だ

今の俺の頭じゃ考えるだけ無駄だ

「柚子ちゃんはどうせ話さないだろうし」

まぁ、それもありえる

溜め込むなとは言ったが実際は俺も、柚子も溜め込んでしまってる

そんなすぐに打ち解けるのは無理がある

「ろん先輩に直接聞こうかな」

『それはダメ』

ろん先輩のそばにはあいつが、黒川がいる
天月君まで危険な思いをさせるわけには行かない

『時間が経ったら俺が聞いてみるよ』

天月君は柚子にって意味でとったんだろうが

俺はろん先輩に聞くつもりだ

「ま、いいや今日はゆーーーくり休みな」

そうだ、まずはこの風邪を治してからだ

そう思い俺は目をつぶった