【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ19)

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消えて～女主視点～ページ19

「俺がするよ」

『天月さん！』
救世主のごとく現れたのは天月さん

「天月か…」
「んー天月…」
うわ…微妙な反応ですね…

それを聞いた天月さんがえーという顔をする

「えーなに、俺には任せられないのー？」
「いや、そういうわけじゃ…」

『わ、私はいいと思いますよ！』
天月さんなら…うん、大丈夫！
ちゃんと空君見ててくれる…と思う

するとナノ君が笑って
「じゃ、お願いする」
「はーい」

「ほら、ナノ達は仕事に戻るよー」
「柚子ちゃんもだよ」
『あ、はいっ』
そっか、私も生徒会の一人だった

らむ先輩に腕を引かれてハッとする
それに気づいたのか、天月さんがこっちを向いて

「柚子ちゃーん」
『はい…？』

「仕事…

――――――――――死ぬ気で覚えなよ？」

『は、い…』
そらる様並みに黒い笑顔で笑われた

ビ、ビックリした
てか怖い！

え、天月さんって…え！？
思わず顔が引きつった

「じゃあよろしくねー」
部屋を出て生徒会長へと足を進める

静かな廊下に3人分の足音が響く

さっきの―――ろん先輩の言葉が頭にちらつく
『…っ』

忘れろ…忘れろ忘れろ忘れろ

もう、忘れてしまえ

なにもかも

忘れてしまえ

―――――消えてしまえ

「――柚子！！」
ナノ君の声でハッとする

今…何しようとした…？

肩を血が出るほど握って何をしようとした…？

――消そうとした

肩にあるモノを消そうと…消したかった

『っ…』