【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ17)

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久しぶり～女主視点～ページ17

「よいしょ…と」
らむ先輩が空君をベッドにおろす

「じゃ、空よろしくね」
『…はい』
「ナノはいるよ」
ナノ君が椅子に座って言う

「俺達は生徒会室に戻ってる」
「うん」
皆が部屋から出て行き静かになる

空君はベッドの上で小さく寝息をたてている
顔色はまだすぐれないようだ

でもナノ君の表情を見る限り少しは良くなっているんだと思う

さっきまでずっと緊張が解けないような顔をしていたからな…

『…あ、一応ドリンク買ってきますね』
そういえばここにはなかった
そう思って立ち上がる
財布を持って部屋を出ようとすると声をかけられた

「柚子…」
『はい？』
「…気を付けてね」
『え…あ、はい！』

“気を付けて”
その言葉に意味が一瞬わからなかったが
姫歌ちゃんのことだろうと解釈して頷いた

『えーと…確かこっちを曲がって…』

地図を見ながらゆっくり進んでいく
寮を出てすぐのところに自動販売機がある

まあ、購買部でもよかってんだが自動販売機の方が近い

『あ～…と…？あ、あった！！』
この辺だと思って辺りを見渡せば、なんとか見つけられた

コインを入れ、ボタンを押す
ガコンッと割と大きめの音を立てて落ちてくるペットボトル

『よし…じゃあ戻ろ「柚子ちゃん」はい？』
振り返ると
「久しぶり」
『っ！？』
ろん先輩がいた

どうしてこんなところに…

『先輩…どうしてんですか』
「冷たいなーつい最近までは仲良く笑ってたのに」

『……』
先輩だって…
先輩だってそんなこと言う人じゃなかった

「柚子ちゃん変わったね」
『ろん先輩も…で、用は何ですか？』
「はは、本当冷たい…用はね…」

『な…！？』

次に言われたことに私はただ、目を見開くことしかできなかった