【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ14)

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救急車～男主視点～ページ14

ナノ…ろん先輩のこととか話すなよ

俺見えてるぞ
お前が柚子に何か話してるの…

話すなよ
余計なこと吹き込むな

コンクリートに倒れたまま目線を上にあげる

「――…」

ああ、口の動きだけじゃわかんないや…

「空！」

体がいきなり浮き上がる

ああ、抱えられてるのか俺

「脱水症状と熱中症、さらに精神が不安定…よく起きてられたな」

熱中症？
脱水症状？

そういえば水分とってないっけ…

精神が不安定？
ろん先輩にあっただけで倒れるほどになるのか

ホント情けない

「とりあえず日陰でゆっくり休め？な？」

らむ先輩の顔が視界いっぱいに広がる

視界もぐらついてきた…

日陰に下ろされペットボトルを首に当てられる

「空君大丈夫？」

となりに柚子も来た

『な、とか…』

といってもまだ吐き気はするし視界はぐらついている

「空…」

ナノの心配そうな顔がみれるとはね

なんてのんきなこと考えている場合じゃない

「救急車呼ぶ？」

『いい…』
救急車を呼べばナノは絶対についてくる
みんなだってせっかくの休日を病院で過ごしたくないだろう

俺はここで待ってる
それでいい

それに…
柚子のせっかくの休日だ
こんなことで台無しにしてたまるか

「空君…大丈夫？」

まふくんまでに心配させちゃった

『あはは…まふくん手冷たい…気持ちいい』

ほんとにまふくんの手は気持ちよかった

その感覚に身をゆだねて俺は眠りについた…