【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ13)

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それだけじゃ～女主視点～ページ13

「空！？」
『空君！？』

ナノ君と同時に動いた

え、え、え、え？
ど、どうしたんだろう
急に倒れた空君をボケッと見つめる

「おい、どうした…て、空！？」
「え、なに？」
「どうしたの！？」
「空が急に倒れちゃって…」
皆が駆け寄って来る

周りの人もビックリしているのかざわざわとうるさい

「どうして急に…」
「発作ではないね」
「喘息でもない」
「じゃあなんで？」

『あ、あの…』

「空どうした！？」
「空！空！？」
ああ…皆さんそんなに揺すっちゃダメですよ

――――――…ダメですって

『どいてください！』
「え、柚子ちゃ…」

『空君？』
「……」
意識は朦朧としているようだ
ないわけではない

『熱中症…かな…？』
それにしては倒れるのがはやい
いくら我慢してても顔に出るものなんだけど…

周りの人が呆然としているのも気にせず空君をみる

『気温は普段より高めだけど、そこままででもない

　
――――いくら空君が体が弱いからって言っても…』

でもそれしか考えられない
確かにフラフラしてたか

「柚子ちゃん？」
『先輩方、空君を日陰に運んでください。
手が空く人で氷とか冷やすもの、スポーツドリンクを用意してください』
「え…」
『はやくっ！！』
私が大きな声で言うとやっと動き出してくれる先輩方

それにしても…なにかあったのかな？
熱中症だと思うけど、それだけではないような気がする

じゃあなにが？

一番知ってそうなのは…

『…ナノ君…なにかあった？』
近くにいたナノ君の服を引っ張って言う

しまった
直球すぎたかな

「…うん」
以外と素直に答えてくれた