【コラボ】傷が語る過去【歌い手】 (ページ12)

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迷子のお届け～男主視点～ページ12

「あれー？柚子は？」

ナノに腕を引かれ広場に集まる

「え？会ってないよ」

まさか…

「探しに行ったきり帰んないってことは…」

「迷子だな」

やっぱり…
やると思った絶対に

『俺探してくる』

猛暑で足がフラフラだがナノの手のおかげで少し冷えた

「大丈夫？」
「ナノが行くよ」

ナノもついてくるのか

ま、いいけど

―――…

「見つかんないね」

大体ここは広すぎる
こんなに探してもやっと半分探したというほどだ

もう暑さで頭がクラクラしてきた頃

「おーい空」

振り返るとそこには

「あ、柚子！っと…？」

ああ、ナノ知らないんだっけ

『はしやんどした？』

「どしたじゃねぇよ迷子を届けに来たんだ」

迷子？ああ、柚子ね

「よかったね柚子！」

柚子ってはしやん知らなかったっけ？

「じゃ、名前覚えとけよ！柚子！」

じゃなと言ってはしやんが人ごみに消えた
柚子はよかったよかったと涙声だ

ああ、もう立っているのも無理かな
そう思った矢先熱いコンクリートの上に

「え？」

ドサリと倒れた

周りからはざわざわと話し声がする
頭がぼーっとする

発作でもない
喘息でもない

じゃ何で倒れた？