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Aとは、授業のペアワークで出会った。
「では今からこの資料を読んで、感じたことなんでも、ペア作って話してみてください。」
まさかこの授業でペアワークがあるなんて思ってなくて、一瞬にして俺の体は固まる。
と同時に、喉の辺りにぎゅっと力が入ってしまう。
なんとか1人でやり過ごせないかな…
そう思っていたのに、隣にいたミルクティー色の髪の女の子が、こちらを見た。
「あの…これ、読むみたいですね。」
「…………っ、」
何か言わなきゃ。
変だと思われる。
でも、そう思えば思うほど言葉が出てこない。
女の子の目を見ることも出来ないけど、絶対なんで喋らないんだろって思ってる。
中学生の頃、吃音をばかにされてから、話すことが怖くなった。
話すことさえしなければ、俺は「普通」でいられたから、ただひたすら話さなかった。
俺はこのまま一生、「普通」になるために喋ることを避けて生きていくのかな。
そう思ったら、急に心臓が速く動いて、呼吸が浅くなる。
「はっ、は…」
「えっ、大丈夫ですか?体調悪いですか?」
こんな状態じゃ、いつもならかろうじて出る言葉も出ない。
申し訳なくなりながら、何も言えずにいた。
「とりあえず、1回出ましょう。ね?」
優しい声に頷いて、2人で後ろのドアから教室を出る。
廊下のベンチに座っても、自分で呼吸のコントロールが出来なくて、ますます怖くなった。
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ユルピころん - 麦茶さん» 了解です!リクエスト再開まで待ってますね! (2023年1月5日 23時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» いつもありがとうございます!半年くらいお待たせしてしまってすみません😭リクエストなのですが、誠に勝手ながらただ今停止中なので、また再開した際にお受け出来ればと思います。またその時はお知らせ致しますのでよろしくお願いします🙇♀️ (2023年1月5日 23時) (レス) id: 8051f4f5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - お話読みました!とても感動しました!またリクエストさせていただきますね! (2023年1月5日 23時) (レス) @page43 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» ユルピころんさん、いつもありがとうございます☺︎お時間頂くかもしれませんが、書きますね〜! (2022年7月6日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - 続き↓女の子は泣いてしまい、如恵留や医療ロボットが励ましてくれてホッとするお話が見たいです!医療ロボットはトラジャメンバーの誰かを麦茶さんが選んで欲しいです! (2022年7月3日 22時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年6月16日 10時