君と寄り添う

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「お待たせしました。カフェラテとレモネードです。」

「ありがとうございます。」



2つのカップを受け取って、またキャンパスの端に戻る。


休憩しようと言ったのに、元太はぶつぶつと練習していた。



「はい。お待たせ。」

「……あ、あ、ありがとう。」

「どういたしまして。」

「………っご、めんね。……い、いつも。」

「気にしないで！むしろ私の方こそお節介たくさんごめんね。」



ぶんぶんと首を振って、ひとくちカフェラテを飲む彼。



「………お…おいしい。」



暗い表情から一変、笑顔を見せてくれた。


少しは気持ちほぐれたかな。


出会った頃はなかなか笑わなかった元太だから、彼の笑顔を見ると本当に幸せな気持ちになる。





＿＿＿＿＿＿





元太side



俺は小学生の時に吃音症を発症した。


突然のことで、原因もわからなくて、怖かった。


だけど「訓練すれば症状を和らげられる」と聞いて、子どもながらに熱心に言語聴覚士さんと訓練した。


自分では周りと同じくらい滑らかに話せるようになったかな、と思ってたんだけど、やっぱり完全には治せてなかったみたいで。


中学に入学してすぐ、吃音が原因でいじめにあった。


そこから俺の吃音は悪化してしまった。


もう訓練を頑張る気にもなれず、俺は人との会話を避けて、大学生まで来てしまった。


とる授業だって、グループワークや発表がなるべくない授業ばっかり。


とにかく人と喋らない、塞ぎ込んだ大学生活だった。


だけどAは、そんな俺の生活を変えてくれた。

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