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Aside
「…ん…」
「如恵留先生!苦しさ、どうですか?」
2度の発作を経て、目を覚ました如恵留先生。
サチュレーションが下がっていて、鼻カニューレから酸素をいれている。
「…だい、じょうぶ…」
「ああ、良かった…」
「ごめん、迷惑かけて。」
「気にしないでくださいね。七五三掛先生隣いるんで呼んできます。」
七五三掛先生は如恵留と話がしたいと言うから、私は一旦出ようとしたんだけど。
「Aちゃん、ここにいて。」
か細い声でそう呼ぶから、出られなくなってしまった。
「うん、そばにいてあげて。」
「はい…」
なんだか恥ずかしいけど、七五三掛先生にもそう言われてしまったから椅子に戻る。
「で、喘息の様子なんだけどね。詳しい検査はまた受けてもらうけど、悪化してる。」
「……」
はっきりと告げる七五三掛先生の言葉に、如恵留先生は表情ひとつ変えない。
でも、心の内ではきっと、落ち込んでいると思う。
「季節が悪いのもあるけど、最近如恵留疲れてるでしょ?無理してるんじゃない?」
「…そう、かも。」
「まー、俺もストイックで勉強家な如恵留のことは尊敬してるけどさ、もう少し自分の体とよく会話しなよ。子どもたちのことたくさん見てあげたいなら、まずは自分が元気でいないと。」
「そうです。如恵留先生が元気じゃないと、子どもたちも悲しみます。…もっと、私たちのこと頼ってください。」
如恵留先生の白い頬に、涙が一筋流れる。
如恵留先生は、頼られることは得意でも、頼ることが下手だ。
「先生、私と約束してください。無理はしないで、時には…甘えてください。」
誰にでも愛されている如恵留先生だからこそ、いつも元気でいてもらわないといけない。
だからそのためには、私にでも、他のナースにでもいいから甘えて欲しい。
ふと如恵留先生の腕が伸びたかと思えば、私の体はその腕に包まれていた。
「の、如恵留先生?」
「ぐすっ…」
「はは、如恵留の甘えたスイッチ入った。」
「え…?」
「大学時代からこうなんだよね。如恵留、真面目なんだけどたまに甘えたスイッチ入るの。」
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ユルピころん - 麦茶さん» 了解です!リクエスト再開まで待ってますね! (2023年1月5日 23時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» いつもありがとうございます!半年くらいお待たせしてしまってすみません😭リクエストなのですが、誠に勝手ながらただ今停止中なので、また再開した際にお受け出来ればと思います。またその時はお知らせ致しますのでよろしくお願いします🙇♀️ (2023年1月5日 23時) (レス) id: 8051f4f5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - お話読みました!とても感動しました!またリクエストさせていただきますね! (2023年1月5日 23時) (レス) @page43 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» ユルピころんさん、いつもありがとうございます☺︎お時間頂くかもしれませんが、書きますね〜! (2022年7月6日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - 続き↓女の子は泣いてしまい、如恵留や医療ロボットが励ましてくれてホッとするお話が見たいです!医療ロボットはトラジャメンバーの誰かを麦茶さんが選んで欲しいです! (2022年7月3日 22時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年6月16日 10時