君と寄り添う

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時期は梅雨。


ダラダラと続く雨が厄介で、なんとなく気分ももやもや。


テレビの天気予報をつけると、今日は雷の予報だった。



「どうしよう…」



と、思わず声が漏れてしまう。


私は今日出席しなければいけない会議があって、元太より帰りが遅くなる予定。


雷マークは16時からついていて、これでは雷がなっている時に元太を1人にさせてしまう。



「Aどうしたの？」



寝癖をつけながらトイレから戻ってきた元太。



「元太、今日は松倉くんのお家に帰ったら？」

「え、海斗の家？なんで？」

「夕方から雷予報だよ。ほら、私今日遅くまでやる会議が入ってるから…」

「海斗今実家に帰ってるよ。」

「じゃあ、ちゃかの家。」

「えー、ちゃかの家遠いからめんどい。大丈夫だよ、Aのことおうちで待ってたいし！」



友達の家に帰ることを勧めてもだめだった。


いつも素直なのに、なんでこういう時だけ言うことを聞いてくれないんだろう。


もう、予報が外れてくれるように祈りながら仕事に行くしか無かった。










「以上で、会議を終了いたします。」

「お疲れ様。」

「うん、お疲れ様。」



会議が終了して、同じく同期である夏子が声をかけてくれた。


私たちは下っ端だから会議の片付けをしなくちゃいけないんだけど。



「あとは私やっとくから、A帰りなよ。」

「え、でも。」

「元太のとこ早く行ってあげて。A、会議中もぜんぜん集中できてなかったよ。」

「ごめん、ありがとう！お願いします。」



今度コーヒー奢ってよねと茶目っ気たっぷりに笑う夏子に、心の中で何度も礼をしながら会社を出る。


外は大雨、黒い雲が空をおおっている。


いまのところ雷の音は聞こえないけど、空の様子からして怪しい。


私はヒールを履いていることも、雨ですべりやすくなっていることもおかまいなしに駅まで走った。


最寄り駅から家まで走ろうとした時、ゴロゴロと空が荒れ出す。


まずい。


これでも運動神経はいいほうだ。


さっきよりスピードを上げた。

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