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「大丈夫だよ。カップも割れてないし、拭いたらテーブルも綺麗になったし、誰も火傷してないよ。」
「……」
「私だって飲み物倒しちゃうことあるよぉ。この前も会社で書類の上にコーヒーこぼしちゃってさ〜」
つとめて明るい声を出すけど、彼の表情は浮かないまま。
新しく注いでくれたコーヒーがやってきて、会計の時には店員さんが「お気になさらないでくださいね」と言ってくれる。
店を出ると、如恵留が口を開いた。
「…A。」
「ん？」
「…帰りたい…」
如恵留と絡めた右腕をぎゅっとされる。
いつも大人っぽくて、泣き言はめったに言わない彼。
でも今は、子どものように泣いている。
「…わかった、帰ろっか。」
余計なことを言わない方がいいと思うのが半分、かける言葉が見つからないのが半分で、帰り道はずっと黙ったままだった。
逆の立場だったら、きっと如恵留は私をすぐに元気づけてくれる。
だけどそれができない自分が悔しかった。
「ただいま。」
如恵留の家につくと、彼はすんなりと手を洗いに行く。
家の中では、まるで見えてるかのように動くことができる。
ソファに座って、彼を呼ぶ。
隣に座らせた彼の体を、そっと抱きしめる。
「ねえ、この言葉覚えてる？」
「…？」
「誰もが最初は初心者なんだよ、って。如恵留が私に言ってくれた言葉。」
「…覚えてる。」
「あの時、私も如恵留みたいにいろんなことできるようになりたいって憧れてたの。英会話とかダンスとか手当たり次第に始めちゃって、だんだん憧れが焦りに変わっていってさ。」
「……」
「そんな時、如恵留が“誰もが最初は初心者なんだよ”って言ってくれて。周りと比べて要領の悪い自分を許せるようになったんだ。」
「そ、っか…」
「1歩ずつでいいんだよ。1歩が大変なら、半歩でいい。私はずっと如恵留のそばにいるから。」
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ユルピころん - 麦茶さん» 了解です！リクエスト再開まで待ってますね！ (2023年1月5日 23時) (
レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» いつもありがとうございます！半年くらいお待たせしてしまってすみません😭リクエストなのですが、誠に勝手ながらただ今停止中なので、また再開した際にお受け出来ればと思います。またその時はお知らせ致しますのでよろしくお願いします🙇♀️ (2023年1月5日 23時) (レス) id: 8051f4f5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - お話読みました！とても感動しました！またリクエストさせていただきますね！ (2023年1月5日 23時) (レス) @page43 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ユルピころんさん» ユルピころんさん、いつもありがとうございます☺︎お時間頂くかもしれませんが、書きますね〜！ (2022年7月6日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - 続き↓女の子は泣いてしまい､如恵留や医療ロボットが励ましてくれてホッとするお話が見たいです！医療ロボットはトラジャメンバーの誰かを麦茶さんが選んで欲しいです！ (2022年7月3日 22時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦茶 | 作成日時：2022年6月16日 10時
