相、雫4

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今日も、そんな家に帰る。


業務が立て込んで少し遅くなってしまった。


お腹を空かせているであろうしめを待たせないように、早足で帰った。



「ただい…え、」



ドアを開けたら中は真っ暗で、驚いた。


しめ寝てるのかな。


とりあえず急いで玄関の電気をつける。



「…っしめ！？」



パッと明るくなった廊下の先で、しめが倒れていた。



「しめ、どうしたの！？」

「まつく…」



駆け寄った俺を見てぽろっと涙をこぼしたしめ。


とりあえず上半身を抱き起こしたら、あることに気づいた。


もしかして、トイレに行きたかったのかな。



「ごめん、ごめんっ…まつく、」

「しめ、待たせてごめんね。ただいま。」

「っぐす、……おかえり、なさい。」

「どこか痛いとこない？怪我してない？」



ふるふると首を横に振るしめ。


今日はこのままお風呂に入ってしまおう。



「今日、久しぶりに2人でお風呂入ろうよ。」



まだ涙が止まらないしめは、俺を見つめたまま動かない。


俺は返事を待たずして、しめを抱き上げて脱衣所に向かった。












「ふー、ちょっと長風呂しちゃったね。」



部屋着を着たしめは、ソファーに座って俯くだけ。


今日たまたま先輩にもらった高級いちごを丁寧に洗って、食卓に付け加える。


食事中も、その後も、しめは何も話さなかった。


きっと、心を整理する時間が必要なんだ。


今日はもう会話出来ずに寝てしまうかな、と思っていたら。



「……あのさ。」



隣のしめが口を開いた。

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