相、雫4

密かな願い＿赤×桃 ページ30

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七五三掛side



「りゅう、起きなさい！何時だと思ってんの。」

「ん〜、あとちょっと…」

「ちょっとじゃない、遅刻するよ？まったく、海斗くんは毎日朝練に行って部活も勉強も頑張ってるのになんでうちの子は…」

「俺だって部活頑張ってるし。」

「母さんはね、勉強しろって言いたいの！」



もう、母さんは毎朝元気だなあ。


俺は朝からそんな力出ないよ。


しぶしぶベッドから出て、顔を洗いに行く。


海斗は毎日朝練行ってんのか…すごいな。


しかも俺よりずっと頭のいい高校に通ってる。


海斗は1年、俺は3年だけど、もしかしたらすでに海斗に学力負けてるかも？


いや、さすがにそれはないか。


海斗と俺は家が隣同士で、昔から仲が良くて小中まで一緒の学校に通っていた。


お互い一人っ子だったから、兄弟みたいなもんだったな。


放課後や土日には、よく「りゅう兄ちゃん遊ぼ」ってサッカーボールを持った海斗が遊びに来ていた。


でも、高校生になってお互いに忙しくなって、もうすっかりそんなこともなくなった。


たまーに、学校の帰り道の途中で会うくらい。


でも高校の場所も反対だし、そんなの1ヶ月に1回あるかないか。


昔は俺の後ろをついてきていた海斗だけど、今も変わらず俺のことを慕ってくれてるんだろうか？


スクールバッグに荷物を入れていたら、でてきた1枚の紙切れ。



「英語の小テスト……38点…」



こんな俺を、海斗が慕うわけない…か。

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