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「海斗!」

「…元太?」

「よかった…」

「ちゃかもいるの?」




点滴が刺さった腕で俺らを探しているから、すぐにその手をとる。



「大丈夫?気持ち悪いとかない?」

「うん、もう大丈夫。元太が救急車呼んでくれたんだよね?」

「そうだよ。ほんとまじで俺死ぬかと思ったんだから!」

「ごめんね…ありがとう。ちゃかもごめんね、仕事休んじゃった。」

「そんなんどうでもいいよ。なんのために俺らこの会社選んだんだよ。」

「ふふ…確かに。」

「ねえ松倉、」

「ん?」

「触ってもいい?」

「うん。」



海斗が答えるとちゃかは恐る恐る手を伸ばすから、その手を海斗の頬に持っていってやる。


ちゃかは心配になると顔を触りたがるってしめが言ってた。


俺は海斗の状態を見ればわかるけど、ちゃかはわかんないもんな。


ゆっくりゆっくり海斗の頬を撫でて、やっとちゃかは安心したようだった。



「重度の貧血って聞いてたけど、最近ちゃんと食べてた?」

「ん…うーん、食べてなかったかも…」

「松倉はもともと体も丈夫じゃないんだよ。だからいつも栄養あるもの食えって言ってるんだけどさ。」

「そうだったんだ。」

「部長が、仕事はどうにかするから心配しないで数日休めって言ってたよ。」

「…俺って恵まれてるな。」



俺は海斗が恵まれてると感じるのは、海斗が今までたくさん頑張ってきた結果だと思った。


普段真面目に頑張ってるからこそ、上司からの信頼もあるんだろうな。


そんな海斗がやっぱり俺は好きだ、と思う。



「ねえ、」

「ん?」

「俺さ、内定もらったんだ。」

「え!?おめでとう!」

「どこ?」

「……福祉の会社。」



海斗の顔がこちらを向く。


ちゃかも、ハッとして口を少し開けた。


俺は海斗の手をぎゅっと握る。



「俺もっとこれから勉強するから。福祉に従事する人として、海斗たちが暮らしやすい世の中のために頑張るから。……だからさ、海斗のそばにいさせて欲しいんだ。」



俺なりの必死の告白。


きっと海斗のことは恋愛感情として「好き」だけど、それよりも「そばにいさせて欲しい」って表現の方がしっくりくる。

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麦茶(プロフ) - イカさん» さんせーい!…ってついつい反射で言ってしまいますね(笑)でも、4人のお話はまた書きたいなあと思っております…! (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 6chanさん» ありがとうございます!!現実世界の2人を見ていて、彼らはきっと離れることの無い関係なんだろうなと思いながら書いていたので、小説内でもそのようなラストになりました。素敵な感想、とても嬉しいです︎︎︎︎︎☺︎ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 完結おめでとうございます!スピンオフも、期待していいですか、、? (2022年4月20日 14時) (レス) @page21 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 完結おめでとうございます。きっと、助けるとかじゃなくて、自然に一緒に生きていくんだろうなと思える終わりがステキでした! (2022年4月19日 0時) (レス) @page20 id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - イカさん» お互いに執筆楽しんでいきましょう¨̮♡ (2022年4月1日 18時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年3月31日 22時

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