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もちろん同伴して病院に行った。
その後のことは、あまり記憶が無い。
気づいたら処置室の前の待合室にいた。
何も考えられなくて、頭を抱えるしかなかった。
ふと、視界に白い棒のようなものが入ってくる。
「ちゃか…?」
スーツ姿で白杖を持ったちゃかが、病院の職員さんに連れられてそこにいた。
「元太。」
ちゃかは職員の人にお礼を言って俺の隣に座ろうとするから、咄嗟にその手をとった。
午後休をとってきたのかな。
「松倉は?」
「今処置室の中にいる。俺もよく覚えてないんだけど、救急隊の人は、そんなに心配しなくてもいいって、言ってた…」
ちゃかの姿を見たら張り詰めていた緊張の糸がぷつんと切れて、説明し終わるまでに涙が出てしまった。
「…っ、」
「そっか。ありがとうね、元太。」
俺の肩を抱き寄せて頭を撫でてくれるちゃか。
俺は柄にもなく、大人気なく、ちゃかの胸で泣いてしまった。
ちゃかの匂いに少し安心する。
___どれくらいたっただろう。
落ち着くまで背中をさすってくれるちゃかに身を委ねていたら、処置室の扉が開いた。
「あの、海斗は!」
先生に話しかけたら、穏やかな表情で答えてくれた。
「重度の貧血でした。頭の傷は、きっと倒れた時にどこかに打ってしまったんだと思います。そんなに心配いらないよ。君は…松倉さんのお友達かな?今点滴ルームで点滴してますから、そばにいてあげてください。」
看護師さんに案内されて、ちゃかと2人で点滴ルームへ。
ベッドで点滴を受ける海斗は、頭に包帯を巻いていた。
だけど顔色はさっきよりいいし、目も開いている。
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麦茶(プロフ) - イカさん» さんせーい!…ってついつい反射で言ってしまいますね(笑)でも、4人のお話はまた書きたいなあと思っております…! (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 6chanさん» ありがとうございます!!現実世界の2人を見ていて、彼らはきっと離れることの無い関係なんだろうなと思いながら書いていたので、小説内でもそのようなラストになりました。素敵な感想、とても嬉しいです︎︎︎︎︎☺︎ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 完結おめでとうございます!スピンオフも、期待していいですか、、? (2022年4月20日 14時) (レス) @page21 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 完結おめでとうございます。きっと、助けるとかじゃなくて、自然に一緒に生きていくんだろうなと思える終わりがステキでした! (2022年4月19日 0時) (レス) @page20 id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - イカさん» お互いに執筆楽しんでいきましょう¨̮♡ (2022年4月1日 18時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年3月31日 22時