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元太side
「じゃ、風呂行ってくんね。」
「うん。」
金曜日の夜。
俺はしめとちゃかの家にいる。
今日はちゃかが会社の同僚と呑んでくるのに、しめが晩ご飯を作りすぎてしまったみたいで。
元太食べに来てよと言われた。
俺は常にカツカツの一人暮らしをしているから、もちろん喜んでここに来た。
ご飯を食べて適当に喋ってたらまあまあいい時間。
しめも風呂行っちゃったし、そろそろ帰ろっかなと思った時。
しめのスマホに着信。
画面には宮近海斗の文字。
「しめー?ちゃかから着信。」
風呂の扉の前でそう呼んだけど、
「わるい、今泡だらけなんだよー。元太出て。」
りょーかい、と通話ボタンを押す。
だけど耳に当てたスマホから聞こえた声は、ちゃかのものではなかった。
「あの、七五三掛さんですか?俺、ちゃかの同期の松倉って者なんですけど。」
松倉…?
ああ、少し聞いたことがある。
ちゃかの同期で、確か同じく視覚障害者なんだっけか。
話に聞いていただけだから、喋るのは初めてだった。
「えっと、今しめ風呂入ってて、俺はちゃかの後輩の松田元太です。」
「松田さん!ちゃかから聞いたことあります。」
「俺も…松倉さんのことは話に聞いてました。それで、ちゃかに何かあったんですか?」
「ああ…それが、ちゃか呑みすぎて潰れちゃったんですよ。ノンアルにしとけって言ったんですけど、少しならいいだろって言われて止められなかったんです。俺が送って行けたらいいんですけど、そういう訳にも行かないし…本当に、すみません。」
確かに、ちゃかにとって酔って帰るのは危険すぎるから、外で呑む時は基本ノンアルのはず。
だけど最近大きな仕事終わったって言ってたし、今日は羽目を外しすぎたのかな。
あーあ、これしめに説教されるぞ。笑
しめに事情を伝えたら、
「えー!?俺今から風呂出るの…?無理。ごめん元太行ってくれない?」
「はあ?」
「俺が風呂長いの知ってるでしょ、お願い。」
んー、まあでも、日頃からしめにはお世話になってるし。
今日もこうしてご馳走になったし。行くか。
「わかった。行ってくるよ。」
俺は松倉さんに教えてもらった居酒屋に向かった。
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麦茶(プロフ) - イカさん» さんせーい!…ってついつい反射で言ってしまいますね(笑)でも、4人のお話はまた書きたいなあと思っております…! (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 6chanさん» ありがとうございます!!現実世界の2人を見ていて、彼らはきっと離れることの無い関係なんだろうなと思いながら書いていたので、小説内でもそのようなラストになりました。素敵な感想、とても嬉しいです︎︎︎︎︎☺︎ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 完結おめでとうございます!スピンオフも、期待していいですか、、? (2022年4月20日 14時) (レス) @page21 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 完結おめでとうございます。きっと、助けるとかじゃなくて、自然に一緒に生きていくんだろうなと思える終わりがステキでした! (2022年4月19日 0時) (レス) @page20 id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - イカさん» お互いに執筆楽しんでいきましょう¨̮♡ (2022年4月1日 18時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年3月31日 22時