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おねがい ページ15

私は慌てて彼から離れようと思ったが、抱きつかれそれは素振りだけに終わった。

だって、いま、わたしは。


『駄目です!!死んでしまいますッ』

「…………だめだ」


有無を言わせず、メタナイトさんは抱きしめる腕を強くする。
いつの間にか、私を襲った化け物は横たえていた。

「そなたが、居なくなってしまうよりはずっとましだ」


そう言って、しゅる、と蔓がメタナイトさんに絡む。それを見て私は必死に叫んだ。


『嫌だ!!メタナイトさん、離してください、ッ、!!』

それでもなお、メタナイトさんは私を放そうとはしない。
むしろ力が増して行く勢いだ。


「ずっと、こうしたかったんだ、私は、それでも」



たくさん絡んだ蔓に蕾がついた。

どんどん成長するそれに、血が引いていくのを感じる。


『メ、タナイト、さん、おねがい、はなして、しんじゃいやです』

彼の瞳を見据え、涙を流しながら訴える。

彼はそれを愛おしげに、かつ哀しげに見つめながら、手で私の頬を包み込んだ。






「A、愛している」








そう言って、私に触れていた温もりは消え、手もぐたりと離された。



そんな、嫌だ、いや、嫌だ


彼に巻かれた蔓はどんなものより美しかった。
花をつけているのは紫色のアネモネ。

私はその花言葉を思い出した瞬間、涙をさらに流した。



私は一人寂しく彼の亡骸に縋り付き、声を絞り出すように泣いた。
側には鳳仙花が咲き誇った。


ラフェルトの咆哮が遠くで聞こえた。








アネモネ(紫):あなたを信じて待つ









鳳仙花:私に触れないで

運命→←目



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ネヴァライス(プロフ) - いい話でした!メタナイト卿最高! (4月24日 16時) (レス) @page22 id: 809f109241 (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 猫じゃらしさん» 感想ありがとうございます!恥ずかしながら次回作の更新頻度は高いとは言えませんが、なんとか頑張っていく所存です。 (2016年8月17日 0時) (レス) id: 8c208b8a17 (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - サファイアさん» わかります!得もいえぬかっこよさが滲み出ていますよね! (2016年8月16日 23時) (レス) id: 8c208b8a17 (このIDを非表示/違反報告)
猫じゃらし - お疲れさまでした!ドキドキな場面が多くてスゴかったです(///ω///)♪次も頑張って下さい! (2016年8月6日 14時) (レス) id: bc2366067c (このIDを非表示/違反報告)
サファイア - メタナイト落ちっていいですよね! (2016年7月14日 21時) (レス) id: 7ac2b69858 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Taruru | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年10月11日 22時

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