かつての盟友 ページ6
「あら、メタナイト卿に……」
『私はAよ。』
「Aさんね。昨日はありがとうございました。
私はフームです。どうぞフームとお呼び下さい。」
私は微笑み、「なぁに、礼にも及ばないわ。」と返事を返した。
「少しそなたと話がしたい。
部屋に入れさせては貰えないだろうか。」
フームはニコリと笑って、
「もちろんよ。丁度 いい紅茶の葉が届いたの。」
と、嫌な顔一つせずに部屋に迎え入れてくれた。
彼女は大臣の娘らしく、カービィの母親的存在らしい。
『それにしても、この紅茶いい香りね。ストレートでも良い味出してるわ』
「ええ。遠い国から直接輸入した紅茶の葉なの。ミルクを入れても良いし、食事と一緒に飲むのも合うわ。」
さすが王家、ってところね。こんな贅沢なものを飲み食い出来るなんて。
「アップルパイですよ。」
キッチンから出てきたこの方は大臣の妻、メームさん。フームさん曰く、この人の作る料理は絶品らしい。
「アップルパイは紅茶と合いますの。
シナモンの香りを殺すこと無く味わえるのよ。」
その言葉を聞いて、私はアップルパイを一口食べた。
……なるほど、これは納得出来る。
『奥様は、とてもお料理がお上手でいらっしゃいますね。
アップルパイ、とても香りが良いです。』
「あらまぁ、そんな事ありませんわ！」
おほほほ、と上品な笑い方をするメームさん。
「そういえばAさん、貴方は一体……？」
おっと、話が逸れるところだった。メームさんに軽く一礼し、フームの方へと向いた。
『私？
そうね……言うなればメタナイトの盟友、かしらね。』
「盟友……？」
私は小さく頷いた。
『ええ。私は銀河大戦の頃、メタナイトと共に戦った仲だったの。』
「ああ。彼女は同志の中でも特に優れた者だった。」
『それで私達二人はある日たくさんの魔獣に急襲された。
次々と魔獣を倒したが、最後の一匹に……』
メタナイトは俯き、こう呟いた。
「ブラックホールを繰り出され、宇宙へと放り出された。」
『それから私は何百万年も宇宙を彷徨った。
何度も何度も心が折れた。いくつもの星を見た。
数えられない微睡みの後、私はこの地に降り立った。
……っていう訳よ。』
フームは、驚きの表情を浮かべていた。
「そうだったのね……
そんな事思い出させてごめんなさい、Aさん」
『大丈夫。それより「さん」なんてつけなくて良いし、敬語じゃ無くても平気よ。
私堅苦しい口調は苦手なの。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルア(プロフ) - ああ.......尊い...........最高｡:+((*´艸`))+:｡ (2021年4月10日 12時) (
レス) id: e424c5f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
巫零亜【フレア】(プロフ) - あぁ…恋愛甘々シーンの描写が上手いのと場面のチョイス最高っす… (2020年4月16日 0時) (レス) id: 258f8cb9be (このIDを非表示/違反報告)
真後ろのソース - あぁ…尊い…やばい、好き()よきかな。うんうん、よきだな。(何様やねん (2019年9月16日 17時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - まひさん» コメントありがとうございます！ 激甘ですか……ご希望通りには出来ないと思いますが、出来るだけ甘くなるように書いてみますね！ リクエストありがとうございます！ (2018年4月4日 12時) (レス) id: c1df570a9b (このIDを非表示/違反報告)
まひ - なんて・・・尊い！！ この二人の激甘か゛すごくみたいです！ (2018年4月2日 22時) (レス) id: 4418933e28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
