さくらさく ページ47
41話より前の時系列です。リクエストで激甘との事ですが、そういうものは書き慣れておりませんので出来うる限り甘くさせて頂きました。続きます
周りの喧騒が遠く聞こえる。かつて何処かで見たことがあるような木々を前に、私は困惑しきっていた。それは、薄いピンク色の花びらを散らし、見る人々に感嘆の声を上げさせる。
それよりも、だ。ここププヴィレッジは南国の筈だ。そのような土地に、程よく暖かい気候にしか花を咲かせる事のないそれがここに生えているのが甚だ疑問だ。
「A！ 貴女もお花見？」
『フーム。いえ、私はただこれを眺めにきただけよ』
レジャーシートを広げ、重ねられた弁当を囲み和気藹々しているフーム一家。一緒に食べないかと誘われたが、家族水入らず。そんな言葉もあるのだからと誘いを断った。
桜が生えている、と言うのだから村の住民達は大騒ぎ。このお花見は是非しよう、という村長の提案で行われているものだ。それに便乗して、デデデはワドルディに食料を売り歩かせるようなことまでされている。
即物的だ、と感想をぽろりと述べつつ、その場を離れた。
今日は、一段と月が大きい。
それに比例するように、月明かりも。
窓から射し込む月光が、カーテンを通り抜けて床を照らした。こんな夜には、さぞかし夜桜が見事なのだろう。翼を広げてはためかせる。そして頭の中である案が浮かんだと同時に、窓からコンコンとノックが聞こえた。
『──メタ』
「A」
何かと思いカーテンを開けると、そこには紺色のマントを体に巻きつけたメタナイトが外に佇んでいた。慌てて窓を開けると、柔らかな風が翼を撫ぜる。
『一体どうしたの、こんな夜中に』
「なに、そなたにデートの誘いをしようと思ってな」
『へ』
デートの誘い。頭の中で文字の序列を繰り返しなぞった。
「──共に、夜桜を見に行かないか」
そう言いながら手を差し伸べられる。その手を取ってしっかりと握りしめて、返した。
『…………
良いわよ。私も見に行こうかと思ってたの』
「そうか。なら丁度良い」
彼が仮面をずらし、私の口を塞ぐ。は、と息を漏らしながら、その甘美なくちづけを享受する。柔らかな唇をそっと舐められれば、身体が震え胸がくすぐったいような感覚が湧き起こる。頰に添えられている掌さえも、暖かい。
『あ、』
「──そろそろ、行こうか。月ももう高い」
散々口内を好きにされ、意識も浮ついて戻って来ないうちにそう言われて少し吝嗇の念に駆られた。
終わり
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ルア(プロフ) - ああ.......尊い...........最高｡:+((*´艸`))+:｡ (2021年4月10日 12時) (
レス) id: e424c5f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
巫零亜【フレア】(プロフ) - あぁ…恋愛甘々シーンの描写が上手いのと場面のチョイス最高っす… (2020年4月16日 0時) (レス) id: 258f8cb9be (このIDを非表示/違反報告)
真後ろのソース - あぁ…尊い…やばい、好き()よきかな。うんうん、よきだな。(何様やねん (2019年9月16日 17時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - まひさん» コメントありがとうございます！ 激甘ですか……ご希望通りには出来ないと思いますが、出来るだけ甘くなるように書いてみますね！ リクエストありがとうございます！ (2018年4月4日 12時) (レス) id: c1df570a9b (このIDを非表示/違反報告)
まひ - なんて・・・尊い！！ この二人の激甘か゛すごくみたいです！ (2018年4月2日 22時) (レス) id: 4418933e28 (このIDを非表示/違反報告)
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