億劫 ページ22
このままでは私は身動きもままならない。カービィが来るまで耐え抜くしかない。
『……っぐあっ!』
そう考えているうちにも締め付けがきつくなる。翼がミシミシと音を上げ始めた。
『あが……っ!?』
翼がとうとう折れてしまった。付け根から血が溢れ出す。意識が遠くなってきた。それを許さないように触手が電撃を放つ。
『あああああああっ……!!』
鞘から剣が抜け、地面に落ち金属音が鳴り響いた。
死、ぬ………
その時、とうとうAに与えられる痛みに耐え切れなくなったボーキャックが体から出てくる。
「A……っ!あれは!!」
メタナイトは戻ってきて早々、ボーキャックの存在に驚く。
『おねが、い……メタナイト、アレを倒して……』
Aは今にも意識を失いそうな顔をしながらボーキャックを指さした。
「っ!フーム、カービィにAの剣を吸い込ませろ!」
そう言いメタナイトはボーキャックを斬る。私はその後、眠りにつくように気を失った。
「A、大丈夫?」
私はその声で気が付いた。目を開けることさえ億劫な体を起こし、周囲を確認した。
どうやらここはメタナイトの部屋らしい。ふと翼が広げれないことがわかり後ろを確認すると、翼の付け根が包帯で十分に巻かれている。
これは数週間は飛べないわね……
横を向くと、そこにはフームが心配そうな顔でこちらを見ていた。
『あら、フーム。』
「ああ、良かった……!Aが起きなかったらどうしようと思っていたの。
貴女かれこれ二日は起きなかったのよ。」
名前に敬称がのいたのを考えると、どうやらボーキャックは追い出す事は出来たようだ。
『ごめんなさいね……心配かけて。』
「ううん、貴女は悪くないわ。
……そういえば、ボーキャックに取り憑かれていたんでしたっけ?災難だったわね。でも、旅人って言ってたから少し戸惑っちゃった。」
苦笑いしながら申し訳なさそうに言うフーム。
『あはは、仕方がなかった事なのよ。』
まだ身体は若干怠いが動けないという程ではない。これならある程度活動ができるだろう。
「あっ、そういえばあの魔獣とカービィが戦う時に貴女の剣を使わせて貰ったの。ありがとう。」
そう言いながら彼女は私に剣を手渡した。
あの子が使ったという事は、吸い込んで体内に取り込んだのね………
………あまりそういうことは考えない事にしましょう。
50人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルア(プロフ) - ああ.......尊い...........最高。:+((*´艸`))+:。 (2021年4月10日 12時) (レス) id: e424c5f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
巫零亜【フレア】(プロフ) - あぁ…恋愛甘々シーンの描写が上手いのと場面のチョイス最高っす… (2020年4月16日 0時) (レス) id: 258f8cb9be (このIDを非表示/違反報告)
真後ろのソース - あぁ…尊い…やばい、好き()よきかな。うんうん、よきだな。(何様やねん (2019年9月16日 17時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - まひさん» コメントありがとうございます! 激甘ですか……ご希望通りには出来ないと思いますが、出来るだけ甘くなるように書いてみますね! リクエストありがとうございます! (2018年4月4日 12時) (レス) id: c1df570a9b (このIDを非表示/違反報告)
まひ - なんて・・・尊い!! この二人の激甘か゛すごくみたいです! (2018年4月2日 22時) (レス) id: 4418933e28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ