バイト先がとてもホラー【FNaF】

思案 ページ10

『ありがとう。参考になった。』


スプボニ「あ、うん……」

そうお礼をしながらスプリングボニーから離れる。
スプリングボニーはおどおどしながらもこう尋ねた。


スプボニ「や、役に立ったかな？」



『うん、もう十分。ありがとうね？
……ちょっと考え事してくるから、外に出るね。』


スプボニ「あ、でも、僕一人さみしいから此処で考えて欲しいんだけど……
ダメかな？」

一瞬その言葉に戸惑ったが、これだけボロボロになっていりゃあ、相当な間一人でここにいたのだろうと理解できた次の瞬間には、

『……いいよ。』

そう返事をしていた。

スプリングボニーの隣に座り込み、思案する。





　まず、私が元居た所……トイシリーズがいた時から、しばらく経って建てられたのがこのお店。

この時点では、まだスプリングボニーはもぬけの殻……
中は人が入れるほどのスペースがあった。人が入って操作していたに違いない。
なのに息を吹きかけただけで戻った。

あんなに複雑な部品が刺さったらひとたまりもないだろう。
……あの「スプリングトラップ」は雰囲気も違う。少し死体の臭いもした。


なら、未来のスプリングボニーには中に死体が入っている……？





そう思った瞬間、もう三度目の頭痛が私を襲った。

暗くなってゆく私の視界に映ったものは、私を心配するスプリングボニーの姿だった。






　『っ』

少し唸って辺りを見渡した。どうやらまたあの部屋らしい。

でも、随分と老朽化している。天井から水漏れや、見たくもないがネズミも走り回っている。

傍には、さっき見た時よりもボロボロになったスプリングボニーがいた。


『……ひどいなぁ
……って、あれ？』

スプリングボニーとは反対の位置に、私のガワが置かれてあった。

少し中を覗く。
頭部のガワを上げた瞬間、キツイ匂いが辺りに広がった。

『っう……』

思いっきりその腐敗臭を吸い込んでしまい、私は顔をしかめた。
どうやら中に死体が入っているらしい。

『……これって』

姿形がそうなのかはわからない。
でも、これを見た瞬間、はっきりとわかった。



このシェード・ティアーズという人形の中には、
紛れもない「中身の自分」入っているのだと。


何故ここに未来の「私」が……？



思いがけぬ展開に半ば混乱しつつも、思考回路を一生懸命回転させる。


チカは自分はスクラップにされたと言っていた。

……でも、それが仮に誤解だとしたら？


そう思った私は、さらに思考を巡らせる。

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