不完全 ページ30
そこに現れたのは、銀河最強の戦士。
私が待ち望んでいた、会うことを切望していた、ショッキングピンクの戦士。
「ギャラクティックナイト！」
『ギャラさん！！』
――ギャラクティックナイトだ。
星の夢を斬りつけるその一撃さえ、とても威力が高い。一筋縄では、絶対にいかないだろうその相手。
「ギャラクティックナイト！！この私が相手だ！！」
メタナイトが私達を標的にさせないようあちらの気を引く。
ギャラさんは夢に出てきたような、濡れて光る茜色の瞳ではなかった。それは、濁っていて、乾いていて――赤黒い。
言い表すなら、「無感情」「殺意」あたりが妥当だろうか。
「Aちゃん、隠れよう！」
『う、ん……』
私は信じられなかった。
目の前の光景が、自分の目が。
あの優しかったギャラさんが、あんな………
カービィがワープスターを移動させる側で、私はただ戦う二人を眺める他なかった。
「くそっ、」
以前より攻撃ペースが速くなっている気がする。緊急回避さえするのが大変だ。
私の腕が鈍ったのか、或いは…………！！
頭上から無数の剣が降り注いでくる。
咄嗟にギャラクシアを振り回して弾き返すが、あまりにも数が多い。
腕に多少傷がついてしまった。
しかし、これも修行の一つ。なんとしてでもやり遂げねば……！
もうメタナイトさんは体力をどんどん削られている。
ギャラさんは、まだまだ余裕綽々といったところか。俊敏な動きで彼を追い詰める。
私はというと、この空間の違和感に気づいて辺りに集中していた。
何か、雑音が聞こえる。砂嵐のような音ではなくて、誰かの囁き声のような。
「――、――――……。」
私に向けられているような、そんな気がして。私は、目を閉じてその音に向き合った。
暗い。
真っ黒な、何もない空間。
私はそこでなす術もなく揺られている。常に圧がかかっている感覚がするあたり、ココは水中だったりするのだろうか。
私は一体、何をしていたんだろう。メタナイトの声が響いてくる。
「ぐっ……はぁあっ！！」
「っ、は、！」
……戦っているのか……？
私が私でない、私が………また、戦っている。
私は未だに、ここで漂っているしかないのか。あの娘と一緒に笑って、このようなふざけた空間など忘れられる夢を見れないのか。
「A………助けてくれ」
君の目の前にいる、不完全な私を……気付かせてくれ。
『ギャラ………さ、ん』
聞こえた。彼が助けを求める声が、叫びが。
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アリス - カービィのポジションがこれまた良い…。いい作品ですね! (2022年5月29日 21時) (
レス) @page49 id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
( ＾∀＾) - カービィの小説で一番面白くて大好きです! (2018年12月22日 17時) (レス) id: fd91df0bf4 (このIDを非表示/違反報告)
コカゲ(暗黒物質) - うわぁ、いい話やったなぁ〜・・・また最初から見るね！ (2017年11月11日 12時) (レス) id: 6840f1b848 (このIDを非表示/違反報告)
雪咲 鈴(プロフ) - ちょｗｗｗｗｗｗｗ最後のなんなのwwww (2017年10月19日 17時) (レス) id: f1f89f7d9f (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - ダゼちゃさん» コメントありがとうございます！ギャラさんの夢小説が少なすぎるので作って見た所存なのですが、喜んでいただきとても嬉しいです！次回作どうぞよろしくお願い致します。 (2017年8月9日 12時) (レス) id: 4525ec543d (このIDを非表示/違反報告)
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