瞳 ページ23
目が覚めると、そこはまた戦地だった。
燃え上がる炎に、響く空襲警報。空には深緑の軍用機らしきものが火花で照らされている。
ぶわぁっと吹く熱気に圧倒され、目を思わず瞑る。恐る恐る目を開けば、逃げ惑う人達。
その人達の視線の先には、羽を真っ赤に濡らしたギャラさんの姿があった。
『ギャラ、さん』
私は思わず彼の名前を呟いた。
だって、あまりに――
憑かれたような、狂気的な………そんな恐ろしい目をしていたのだ。
あの日夢で見た優しげな、切なそうな彼の瞳の面影は、ひとかけらも見当たらない。私はそれに冷水を浴びたような恐怖を感じ、その場を動けずにいた。
「…………」
『ギャラさん…………』
彼は私の前に歩み寄り、こちらを見据える。フーッ、フーッと興奮しきった野生動物のような呼吸音だ。
その音だけ鮮明に聞こえて、周りの音が遠く感じた。
『っ、』
「A」
『な、なに……？』
「君は………君だけは、私がどうなっても………
ずっと変わらず、待っていてくれるかい？」
紅緋の鮮血を浴びた顔で、優しく微笑む彼。後ろは炎が狂おしく燃え盛り、爆発音が遠くで聞こえる。
その身が血に染まろうとも、その輝いている瞳は移ろい変わり、光を失う事は決して無いのだろう。
『……うん』
彼の血に濡れた翼で包まれていた私は、彼の過去に思いを馳せた。
朝日が昇る。明日はきっと、清々しくて愁いの帯びた晴天だ。
どうしたら逢えるのだろう――心地よさと鉄の匂いに包まれながら、私は目を閉じた。
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アリス - カービィのポジションがこれまた良い…。いい作品ですね! (2022年5月29日 21時) (
レス) @page49 id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
( ＾∀＾) - カービィの小説で一番面白くて大好きです! (2018年12月22日 17時) (レス) id: fd91df0bf4 (このIDを非表示/違反報告)
コカゲ(暗黒物質) - うわぁ、いい話やったなぁ〜・・・また最初から見るね！ (2017年11月11日 12時) (レス) id: 6840f1b848 (このIDを非表示/違反報告)
雪咲 鈴(プロフ) - ちょｗｗｗｗｗｗｗ最後のなんなのwwww (2017年10月19日 17時) (レス) id: f1f89f7d9f (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - ダゼちゃさん» コメントありがとうございます！ギャラさんの夢小説が少なすぎるので作って見た所存なのですが、喜んでいただきとても嬉しいです！次回作どうぞよろしくお願い致します。 (2017年8月9日 12時) (レス) id: 4525ec543d (このIDを非表示/違反報告)
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