ファッションショー ページ11
「次は君みたいなニンゲンの子！絵が得意なんだよ。」
そう言われ、私は「ああ、私も絵は好きだったなぁ。」と思い出に耽る。でも、職にできるほどの腕じゃない。当時は進路で揉めたものだと、苦労の日々を退けるように目線を上に向けた。
きっとここに来ていなかったら、何の変哲も無い会社員になっていただろう。イラストレーター、なりたかったなぁ。
『へぇ。』
「…………それでね、その子は描いた絵を実体化できるんだよ！凄いでしょ。」
『凄いな、なんか秘密でもあるの？』
「いや、本人がわからないって」
『マジかよ』
そう会話を交わしているうちに、見えてくる人影。イーゼルに画用紙を乗せ、風景画だろうか。よく描かれている。
「あ、カーくん！林檎描いてあげようか？
………あれ！その女の子はっ！？」
興味津々で聞いてくる彼女。私が着地すると同時に、手を握ってくる。
「はじめまして、私はアドレーヌ！アドでもなんでも呼んでくれていいわ、貴方の名前は？」
『あ、Aです………』
「敬語じゃなくて良いよ！アイスいる？」
目をキラキラさせて聞いてくるアドレーヌ。私はとっさに頷いた。
そう言うと描いていた絵を横に置き、ささっとアイスクリームを描いてくれる。
あまりの素早さに目を見張った。
「ふふ、凄いでしょ？じゃーん！」
そう言って差し出されたのはホリゾンブルーのコーン付きアイス。
受け取って口をつければ、シャリっと音が鳴り、ソーダの甘さと爽やかな味わいが口に広がった。
『おいしい』
そう感想を漏らすと、アドレーヌは良かったというように笑みを浮かべる。
すると彼女は考える仕草を見せた後、私の肩をガシリと掴んだ。
「そうだ！あなたに似合う服を描かせて！
会った記念に！」
確かに、着る服のレパートリーはかなり少なかった。普段着も二、三着とかなり飽きてくる。
だから私はぜひとお願いした。
そして彼女はこれでもかというほど服を描き上げてくれた。
シャボン玉と藍錆色の生地のコントラストがとても素敵で、首のところに小さなリボンがあるスカート。
ミントの服に、所々チョコレート色のリボンがあしらわれた裾の広いワンピース。
世間でいう「ロリータファッション」のような幻想的な服をたくさん作ってくれたり、大人しめの服も描いてくれた。
正直私にはもったい無い気がしたが、お言葉に甘えて持ち帰る事にした。紙袋も作ってくれて感謝しきれない。
お礼を言いながら、私達はその場を離れた。
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アリス - カービィのポジションがこれまた良い…。いい作品ですね! (2022年5月29日 21時) (
レス) @page49 id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
( ＾∀＾) - カービィの小説で一番面白くて大好きです! (2018年12月22日 17時) (レス) id: fd91df0bf4 (このIDを非表示/違反報告)
コカゲ(暗黒物質) - うわぁ、いい話やったなぁ〜・・・また最初から見るね！ (2017年11月11日 12時) (レス) id: 6840f1b848 (このIDを非表示/違反報告)
雪咲 鈴(プロフ) - ちょｗｗｗｗｗｗｗ最後のなんなのwwww (2017年10月19日 17時) (レス) id: f1f89f7d9f (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - ダゼちゃさん» コメントありがとうございます！ギャラさんの夢小説が少なすぎるので作って見た所存なのですが、喜んでいただきとても嬉しいです！次回作どうぞよろしくお願い致します。 (2017年8月9日 12時) (レス) id: 4525ec543d (このIDを非表示/違反報告)
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