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gr「俺は、力無いくせ威張る奴が嫌いでな。着飾らないと分からない王よりも、着飾らなくとも分かる王の方がいいに決まっている。」
「そーだね。本来はそうあるべきだ。」
グルッペンくんは、僕の同調に「だからな、俺は」と続ける。
gr「初期の頃のa国のような国をもう一度創る。」
「……はは、a国を潰しておいてa国を創るって…本当、面白いこと言うよね。」
gr「潰したa国と初期のa国は全くの別物だ。昔の記述を見る限り、名も分からぬ元a国の総統と俺の思想は、どこか似通っているんだ。お前を招いたのも、お前が昔から生きていると気がついていたから、もしかしたら、お前はその理由を知っているかもと思ったからだ。」
「……………」
僕は何も言葉を発することができなかった。例え、彼の尋ねようとしている質問の答えが分かったとしても、それに答えてはいけない気がしたのだ。
gr「お前なら、その理由がわかるか？」
「…………」
沈黙が続いた。
なんと答えたらいいのか。前世の記憶を持つと言うことは、僕と同じく、昔を知ると言うこと。でも、僕とは決定的に違うところが一つある。それは、グルッペンくんは一度"死んでいる"と言うこと。もう、前世のグルッペンくんやその周りは滅びたというのに、今世の彼がそれを知ったら、何を思うだろうか。
それに、彼も分かってはいるだろうけれど、前世の記憶を持つということはかなり危ないことなのだ。それも、一国のトップとなると尚更。文化というのは時代ごとに、移り変わっていくものであり、a国が栄えていた頃の文化など、今では通用しないものが殆どだ。もし、僕が下手なことを話して、彼の記憶が戻りでもしたら、彼の記憶が前世と今世のもので混ざってしまったりでもしたら、それこそ我々国の方針は別の方向へ進んでしまうかもしれない。
「………分かるには分かるんだけれどね。」
gr「はぁ………。やはり何か知っているんだな。でも、話せないのだろう？」
まるで、初めから話せないということを分かっていたかのような口ぶりだった。
「そうだね。その理由は様々だけど、一番は僕もあまり憶えてないから…かな。だから、下手なことを言ってしまうかもしれないし。」
gr「…うーむ。」
「でも、一つ言うとするならば、我々国は着実に初期のa国に近づいていっていると言うこと。」
僕の発言にグルッペンくんは眼を大きく見開いて、それ以降、言葉を発することはなかった。
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しめじ(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！そして、最近更新が滞っており申し訳なく思います。しかし、完結までは必ず続けるつもりなので、それまで見てくださるととても嬉しいです…！ (12月11日 21時) (
レス) id: 095fd86269 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新嬉しいです。この話だけは続き見たいのでページ残してます。これからも頑張って。 (12月10日 21時) (レス) @page10 id: c8a05a8ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しめじ | 作成日時：2023年11月26日 22時
