【１５５】・ ページ12
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屈み、まだ、刃物が刺さったままの少年をどうするか考える。これは、すぐ刃物を抜くという判断をしなかった兵士を褒めたいな。刃物を抜いてしまえば、さらに出血してしまうからね。
すると、後ろからガサガサと何やら紙袋を漁る音が聞こえた。
sn「A様、薬草の調合するんで、それまで止血を頼めますか？」
「…！………へ？」
死戦期呼吸も始まり、もう無理かと思っていたから、突然の言葉に、呆気に取られた。すると、「何ぼーっとしとんの」と言われて、僕はハッと我に帰る。彼から手渡された清潔なタオルで、僕は止血を始めた。傷口を広げぬよう、刃物を抜き、患部を圧迫する。
圧迫し始めて、暫く経ったが、未だに血の勢いは衰えることなく、僕が諦めかけた時、肩に手が置かれた。
sn「………もう、出来ます。」
「………わかった。」
しんぺい神くんは、手に調合した薬草を握っており、何処か決意めいた目をしいた。僕は何故か、治療している様子を見せてはいけないと感じ、民や兵士に「この先は見るな」と釘を刺した。
民が視線を逸らした瞬間、辺りに血飛沫が舞った。しんぺい神くんが、患部に薬草ごと拳を突っ込んだのだ。すると、その患部は光を放ち、たちまち辺りを光で埋め尽くした。あまりの眩しさに目を細める。
光が収まり、目を開けた時には、少年の患部は塞がっており、呼吸も通常となっていた。
「……君は＿＿＿＿＿＿」
彼は本当に凄い人材なのかもしれない、と思った瞬間、突然に歓声が上がった。
sn「…民が貴方を尊び、総統すらも貴方に魅了された理由がわかりました。」
歓声の中で、そう耳打ちされた。すると、彼は立ち上がり、薬草の入った紙袋だけを持って、その場を立ち去ろうと歩き出した。
「ちょっと待って！明日、"死人"が出るかもしれないんだ！君が、少しでも人の役に立ちたいと思えたなら、明日、またこの場に姿を現して欲しい！僕は心から君を"信用"してる！」
僕の声は聞こえていたのか、歓声にかき消されて、聞こえなかったのかは分からない。分かったのはただ一瞬だけ、彼の色が揺らいだということだけだ。
彼が去っていて、暫く経った頃、まだ歓声の鳴り止まないことをいいことに、隙を見て人混みから抜け出した。人混みから距離が取れた安堵で溜息をついた時に、後ろから声をかけられた。
zm「ちっす！Aさん！」
「…久しぶりだね…！なんでここに？」
その声の主は"ゾムくん"だった。
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しめじ(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！そして、最近更新が滞っており申し訳なく思います。しかし、完結までは必ず続けるつもりなので、それまで見てくださるととても嬉しいです…！ (12月11日 21時) (
レス) id: 095fd86269 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新嬉しいです。この話だけは続き見たいのでページ残してます。これからも頑張って。 (12月10日 21時) (レス) @page10 id: c8a05a8ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しめじ | 作成日時：2023年11月26日 22時
